351.そなえ 35歳までに学んでおくべきこと 野村克也

誰かが見ているという意識をいつも忘れなければ、おのずと何事にも全力で取り組むようになり、毎日を無為に過ごすことはなくなる。

 

将来をしっかり見据え、そのためにするべきことをきちんとして日々を過ごすか、それともただ無為に過ごすか。どちらをとるかで、その後の人生は大きく変わってくる。

 

人間的成長なくして技術的進歩なし

技術を磨く前にまずは人間を磨け

 

礼儀をきちんとわきまえた人間は、仕事においても立派な結果を出すものである。

挨拶とは自分の心をひらき、相手にせまるためにある。

 

褒められているうちは半人前と自覚せよ。

まったく実力がないにもかかわらず、自分をみてくれていないと言ってふてくされるようでは、もとから見込みはない。なんとかして自分を見てもらいたい、認められたいと願い、そのためにはどうすればいいかと考えるところから、人の成長ははじまるのである。

 

自分はまだまだ

そのようにつねに自戒し、つねに高みを目指す努力を怠らなければ、おのずと他人の評価も上がっていくはずである。

 

きちんとした人生を送っていれば、しっかりした仕事をしていれば、見た目で目立つ必要はない。

自分が無知であることを自覚し、あらゆることにアンテナを張り巡らせておくことも言葉を身につけるためには大切なことだ。

「耳は大なるべく、口は小なるべし」

 

勝利の女神は言い訳を最も嫌う

優れた経営者に共通する資質も、「ローカスオブコントロールが内側にある」ことだという。行動を統制する意識が自己にあるのか、他者にあるのか。すなわち仮に事業に失敗したとしてもその原因と責任を外部に求めるのではなく、自分に求めることが一流の経営者の特徴なのである。

 

「天は自ら助くるものを助く」

勝利の女神はとびきりいい耳を持っているようで少しでも言い訳めいたことを口にした人間には、二度と近づかない。長年に渡って勝負の世界で生きてきた私の実感である。

 

「技術力には限界がある」しかし「頭脳には限界はない」

 

努力しなければと思っているうちは本物ではない

 

野球をはじめとする団体競技では、足が遅くても身体が小さくてもあるいは取り立てて才能に恵まれていなくても自分の役割をしっかりと認識し、まっとうすることができる人間が集まっていれば、強者を倒すことができるのである。

 

不器用だったから誰もやっていない努力をしたし、結果としてそれが私の運命をも好転させることになってのだ。

 

知識は力なり

 

よい結果を出すためには、「欲を出発点にして、最後は欲を捨て去る」必要がある。

 

和して同ぜず

WHOがさだ定める「健康」の定義

フィジカルとメンタルが安寧な状態にあることともうひとつ、ソシアル(社会的に安寧である)という条件が加わって初めて「健康」と呼べるのだという。

家族や職場、地域社会などとうまく調和している状態のこと。

逆に言えば身体的、精神的に良い状態であっても自分が所属する組織と調和していないのでは「健康」と呼ぶことはできない。