338.自分を操る超集中力 メンタリストDaiGo

現在では1日 10 ~ 20 冊の読書をしつつ、企業アドバイザーや、講演・研修事業、TV出演、ニコニコ動画を放送するなど、一般の人たちを遥かに超えたアウトプットができるほどの集中力を身につけるようになりました。  今の私には、人よりも速く効率的に本を読み、多くのことを吸収し、それを活かした仕事でも大きな成果を上げている、そんな自信があります。 手に入れた今のポジションは「すべて集中力のおかげ」 と言っても過言ではないでしょ

 

 実際、 私の読書量は1日 20 冊なので、単純計算で常人の200倍の生産性を発揮していることになります(社会人の平均読書量は、月3冊であるとされています)。  集中力が手に入ると、仕事や勉強が短時間で終わり、評価や成績が上がるだけでなく、あり余った時間でプライベートも充実していくの

 

 集中力を発揮するとき、人は脳の前頭葉を使いますが、習慣化すると同じ作業を小脳が代わりに担ってくれるのです。  すると、何が起きるのか。   前頭葉の疲れる度合いが劇的に減り、集中力を発揮できる時間が延びていきます。 また、習慣化された行動については集中せずとも自動的に処理できるため、周囲からは、疲れていても集中できる人のように見えるの

 

猫背になったら、「いけない、いけない」と胸を張り、 肘 をついているのに気づいたら慌てて背筋を伸ばし、足を組んで座っていたらすぐに座り直す。文章にすると簡単なようですが、実際に試してみると想像以上の集中力が必要です。  たとえるなら、負荷の高いダンベルを使った筋トレのようなもの。 無意識の行動に「はっ」と気づき、改めるという行動をくり返せばくり返すほどウィルパワーを鍛えることができる

 

この実験の結果はさまざまなビジネスのマーケティングに影響を与え、今では「豊富な選択肢よりも絞り込んだ選択肢を提示したほうが成果につながる」 と考えられるようになっています。   多すぎる選択肢は、ウィルパワーを人間から奪い、結局、決断できなくなるの

 

ウィルパワーが一定以下になると、どうなるかというと、このジャムの実験で明らかになった

 

に「先延ばし」をしてしまうの

 

ところが、何か決定しなくてはいけない細かいことを、頭の中で「やりかけのまま」「先延ばし」にしておくと、無意識に 気にした 状態が続きます。  これを「決定疲れ」 といい、決定を放置し、後回しにした場合にウィルパワーが消費される現象を指します。つまり 人は、行動ではなく「意思決定」で疲れる の

 

一見、集中力がずっと続いているように見える人ほど、うまく休憩を挟み、短時間の集中状態をくり返しています。短時間だから疲れない。疲れていないからこそ集中状態をくり返せます。  ですから、私の講演などでよく寄せられる「うちの子はちっともじっとしていられないんです」「勉強しているな……と思ったら、すぐに飽きてしまっている」といったご両親の悩みは、お子さんが健全な証拠

 

この「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取り、集中できる時間を効率的に使っていく方法があります。それは あらかじめ時間を短く区切り、「もうちょっとやりたかった」「もう少しやれたかな」というところで仕事や勉強を打ち切ってしまう方法

 

たとえば、 60 点程度の完成度で提出すればいい仕事について、100点を目指し、締め切りに間に合わない。あるいは、100点を目指す過程で疲れてしまい、結果的にはクオリティが下がってしまう。  なぜ、そうなってしまうかと言うと、人は選択肢が増え、決断する機会が増えるほど「迷い」が生じ、ウィルパワーを失っていくから

 

パーキンソンはこうした事態を避けるため、非常にシンプルな対応策を提示しています。それが 仕事や勉強の時間を短く区切る ことです。先ほどの焦らし効果でも「 15 分なら 15 分、 30 分なら 30 分と時間を区切ること」をオススメしました。すると、できることは自然と絞られてきます。  これは不自由なようですが、集中力は自由なときよりも 制限のある状態のほうが 高まっていくの

 

反対に、意思決定の数を下げれば下げるほど、より大きな成果が得られます。  ですから、休憩から勉強や仕事に戻るときに「よし、やるか」というワンステップを必要としない、「ペンを握るだけで自動的に始められる」ような環境がつくれたら、その分、集中力が持続し

 

 このように暗示が脳に与える力は非常に強大で、たとえば、日々ネガティブなニュースに多く

 

ていると気分が落ち込みやすくなるという傾向も明らかになってい

 

カロリー表を手に消費カロリーを記録していたグループでは、 体脂肪が落ち、血液の健康度が上がり、体年齢が若返るといった現象が起きた のです。一方、普段通りの仕事を続けたグループでは特筆すべき変化は何も起こりませんでした。  単に作業するのではなく、その作業が健康にいいと意識するだけで、体の状態すら変わっていくの

 

集中力に関して言えば、自分がどのくらいの時間、どのような環境でいると集中できたのかを記録すること。それをくり返すうち、 あなたの脳にはプライミング効果による暗示がかかり、その環境、その時間帯には自然と集中できるようになります。  よく「疲れたとか言うな」という教えがありますが、意外と科学的な根拠があるということですね。  集中力が高い人は、自分の集中しやすい環境にこだわり、入ってくる情報やモノ、単語(言葉) ですら選び取っているの

 

つまり、 水色は学習に適した色 なのです。  私の机ですか? もちろん、水色のペン立てを使ってきまし

 

というわけで、集中力を促す「場所」にするために、見直したいのは 机周りや作業スペースでのスマホやケータイの扱い、そしてモノを片づける ことです。  前者に関しては、可能であれば電源を切ってしまい、そこには持ち込まないこと。デスクの上にケータイやスマホがあるだけで集中力が落ちるという実験結果も出てい

 

よほどの急ぎの案件を抱えていない限り、このサイクルでチェックしていれば大きな支障はないはず。 スマホやケータイをはじめ、注意をそらすものを 断捨離する。これが集中力を起動させる「場づくり」の基本となり

 

つまり、机の上や家の中がきれいに保たれていないと、勉強や仕事に向かう集中力は下がり、合わせて自己コントロール機能も低下するので、家族と喧嘩しやすいなどのデメリットが生じ

 

逆に言えば、 集中したい対象以外、「なにもない場所」をつくることで自然と集中力は高まり、勉強も仕事も 捗っていき

 

つまり、いいアイデアが欲しいと思ったら、天井の高い部屋へ行くか、青空の下を散歩すればいいということです。実際、私も仕事場は天井の割と高い部屋を選んでいます。「アイデアは、天井の高さに比例する」 というわけです

 

ちなみに 姿勢が良くなると、前頭葉の機能が活性化される効果もあります。 これは、横隔膜などの呼吸に関係する筋肉が正常に働き、前頭葉により多くの酸素が送り込まれるようになるから

 

座り姿勢と集中力の関係について紹介してきましたが、私自身は 仕事も勉強も立ってやるのがいい と思ってい

さまざまな研究から、人は 15 分以上座っていると、認知能力も集中力も低下して作業効率が落ちていくことがわかっているからです。  その他、1日に6時間、イスに座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動する習慣を持っていたとしても、1日3時間しか座らない生活の人に比べ、 15 年以内に死亡するリスクが 40% 増えるのだとか。  こういったリスクを回避する方法は1つだけ。それは、 イスに座る時間を減らす こと

 

スタンディングデスクの長所は、立ったまま作業ができること。座っている状態よりも自然に姿勢も良くなり、また 第2の心臓と呼ばれるふくらはぎがよく動くので血流も改善し

 

私は読書の際も部屋の中や安全な場所を歩きながら、本の中の気になったところにマーカーを引き、さまざまな情報を得ています。 仕事や勉強は座ってやるものという固定観念を捨てること。 それも集中力を起動させるエンジンの1つになり

 

ただし、その効果をしっかりと活かしていくためには、ちょっとしたコツが必要です。まず、飲む量に関しては、コーヒーの場合1日450 ml くらいが適量とされています。スターバックスのグランデサイズないし、小さめのコーヒーカップなら3杯くらいです。  それ以上のカフェインの摂取は 脳への刺激が過剰になり、メリットよりもデメリット(ストレス過敏) のほうが大きくなってしまい

 

 私は 午後の眠くなってくる時間の前にヨーグルトを食べ、コーヒーを飲み、 10 分ほどのパワーナップをし、再び仕事に戻るというサイクルを取り入れています。脳に休息を与えた後、カフェインで刺激することになり、認知能力をぐっと高めることができるの

 

 また、この水分不足による集中力の低下の影響は年齢を重ねるほど、大きくなっていきます。もし、あなたが 40 代、 50 代以降の年齢であるなら、若いときよりも頻繁に水分を補給するよう心がけましょ

 

では、2% の水分の減少を防ぐには、どれくらいの間隔で水を飲めばいいかというと、 1~2時間にコップ1杯ほどの水分を補給するというのが目安 となり

 

くり返しになりますが、選択する数が多く、「迷い」が多ければ多いほど、ウィルパワーは消耗します。物事を選択するときに使うエネルギーと集中するときに使うエネルギーは同じウィルパワーです。ですから、 日々の生活の中で、選ぶ場面が少なければ少ないほど集中力は上がります。  ウィルパワーに関するこの 法則 を知っていれば、生活は自然とシンプルなものに変わっていきます。要するに、 持ち物と選択する機会を減らせば、集中力は自動的に上がるということ


エンジン2「姿勢」で述べたように、「仕事や勉強は机に座ってやらなければならない」というのは単なる思い込み で、私も家で本を読むときは歩き回りながら音読しています。何かに集中し、物を覚えるときに体を動かし、声を出すのはとても効果的だから

 

また、勉強や仕事をしながら同時に体を動かすことも集中を高める意味で効果的です。狩猟採集時代の人間にとってじっと同じ位置にとどまっているのは、「休息している状態」ですから、動かずに机に張り付いていれば眠くなってくるのも当然

 

具体的に言うと、 睡眠の質は 22 時から夜中2時の間に深い眠りに落ちているかどうかで決まります。この時間帯は成長ホルモンが盛んに分泌されるゴールデンタイム。成長ホルモンと聞くと、成長期特有のものと思われるかもしれませんが、 傷ついた細胞を修復し、疲労を回復させる効果があり、大人

 

も欠かせないホルモンです。  たとえば、紫外線によるシミやシワなど、肌の細胞へのダメージを修復しているのも、この成長ホルモン。早寝早起きが美容に良いとされるのは、成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムをうまく活かしているからです。  もちろん、このゴールデンタイムは脳の疲労回復、神経細胞の修復にも効果があり、集中力の源となるウィルパワーを回復させてくれ

 

 実際、毎朝4時半に起きると紹介したAppleのCEOティム・クックは毎日確実に7時間の睡眠時間を確保していることを公言しています。同じく4時半に起床しているスターバックスの創業者ハワード・シュルツは8時間睡眠の提唱者

 

しかし、4時半に起床する人が8時間眠るには、 20 時半には寝なければいけません。これは一般的な感覚からすると、かなりの早寝。ところが、人の体を動かしている体内時計「サーカディアンリズム」で考えると、非常に理想的な生活サイクルなの

 

例に挙げた早起きの実践者たちは全員、日々、難易度の高い意思決定を迫られる立場の人たち。そんな彼らに早起きの他、共通している行動がもう1つあります。  それは起きた後、 ランニングやウォーキング、ストレッチ、スイミングなど、何らかの方法で体を動かし、軽く汗を流している ことです。彼らは早く起きることで確保した朝の2時間の中に、 15 分程度の運動を盛り込み、脳を活性化。さらに集中力を高めているの

 

1.早起きして、朝食を摂る。 2.グリーンエクササイズなどで、朝日を浴びながら軽く汗を流す。 3.モチベーションの上がる話題や言葉、詩に触れる。 4.毎日1つ、ノートやパソコンなどに日常の幸せへの感謝を書き留める。 5.毎日、「今日が人生最後の日ならどうする」と自分に問う。 6.その日の計画を 10 分以内に立てる。 7.短時間の瞑想を

 

私にとって 朝は、大切なインプットの時間 です。新しい分野の本を読み、集中して机に向かい、ノートにアイデアなどを書き出す時間に使っています。   昼は、基本的にアウトプットする時間に使っています。ミーティングや講演、メディアでの活動など、多くの人に会いながら自分の考えを話すことはアウトプットでもあり、同時に、朝

したものを定着させる「復習」の役割も担ってい

 

  そして、この 25 分間では「1つのこと」に集中してください。「この 25 分で、これだけやれば

 

と思うと、それ以外考えなくて済むようになる。つまり、迷わなくなるのです。「集中する」ということは、「やることに注目する」ということ。この「他のことをしない」「代わりのことをやらない」というルールを守るだけで、集中力が必ず高まり

 

1日のうち、合計3~4時間集中している時間があればかなり優秀です。 そして、トップレベルのバイオリニストの例のように、集中するのがうまい人たちは 90 分集中して、 20 分休むというリズムを一度つかんだら、絶対に崩しません。だから、限られた時間で周囲の予想以上の成果を生み出すことができるの

 

私たちは本能的に複数のことが同時に気になってしまう性質を持っています。常に周囲を警戒するためには、一点に集中するよりも、あれもこれもと気にしているほうが理にかなっています。この心の動きは、食事中に外敵に襲われる可能性のある自然界で生きていくうえではとても重要なものでした。しかし、ある程度の安全が確保されている今、とくに 仕事や勉強に集中したいときには、あれもこれも気になってしまう心の動きは不要なブレーキとなってしまい

 

こうした状態から抜け出すためには、 今使える時間で何をするのかあらかじめ明確にしておくことが有効です。そのための方法として、さまざまなToDoリストのつくり方が紹介されていますが、ここでオススメするのは「やることリストづくり」の元祖とも言えるアイビー・リーのメソッド

 

1.紙に「明日やるべきこと」を6つ、メモする 2.その6項目を重要だと思われる順に1、2、3、4、5、6と番号を振る 3.翌日、このメモの順番に従って仕事を進める 4.もし全部できなかったら、悔やむことなく忘れる 5.その後、明日のための6つの項目を新しくメモする 6.1~5を丁寧に

 

 選択肢を減らして短時間一点集中ですすめる。

座っている時間をなるべく減らす。

タイマーを持ち歩いて常に時間計測する。