276.人間とは何か マーク・トウェイン、中野 好夫

人間誰も創造なんてことは絶対にない。思惟も衝動も、すべて 外から くるわけさ。

 

つまり、人間の頭ってものは、 なに一つとして新しいものなんか考え出せるもんじゃない、そんな風にできてるんだよ。 外から 獲た材料を利用するだけの話なんで、要するに機械にしかすぎないんだよ。ただ自動機械みたいに運転するだけなんで、意志の力で動いたりするんじゃない。 自分で自分を支配する力なんか、 もちろんないし、

 

んで、 機械に創造なんかできるわけがない。

 

青年  なるほど、ずいぶん奇妙な説ですねえ。じゃ、その人間を行動に駆り立てる唯一無二の衝動ってのは、いったい何なんです? 老人  つまり、 自分の心の満足がえたい という衝動 自分自身の心の満足感をえて、

 

老人  それがまちがいなんだ。行動ってものは、 なによりもまず 自分のためじゃなくちゃならん。そうでなけりゃ、決してやらんね。なるほど、そりゃ一にも二にも他人のためにやってる つもり でいることはあるかもしれん。だが、実際はそうじゃない。まず第一には、自身を満足させてるんで 他人のためなんてのは、つねに その次 なんだ。

 

老人  結構、これがその法則だよ、よく憶えとくんだな。つまり、 揺籃から墓場まで、 人間って奴の行動ってのは、 終始一貫、 絶対にこの 唯一最大 の動機 すなわち、 まず自分自身の安心感、 心の慰めを求めるという以外には、 絶対にありえんのだな。

 

老人  戦場へ赴かせるのか、ってことが きたいんだろう? そうなんだよ 世論って奴は、しばしば人間をして どんなことだって やらせる。

 

それがわしたち自身までを不愉快にでもしないかぎり、他人の苦痛なんてもんには、まず 例外なく 完全に無関心だってことだな。

 

いや、ただ言葉の普通の意味においてだな 他人のために自己犠牲をやる人間なんてのは絶対にいない つまり、他人のため だけの 自己犠牲なんてものはありえない、ってことを言った

 

たしかに、人間、他人のために毎日自己犠牲はやってる。だが、それも まず第一には自分のためなんだよ。 なによりもまず その行為は、自分を満足させるものでなくちゃならん。その他の効果ってのは、すべてその次の話なんだ

 

もともと教育なんてもんは、すべて形こそ異なれ、 外からの影響 の結果にすぎんのだな。そして、それには 人間関係 って奴が、なんてったって大部分なんだよ。要するに人間って奴は、すべて外からの影響がつくり出す産物にすぎん。

 

救いがないだと? このカメレオンに救いがないだって? いや、そりゃちがうな。人間、カメレオンだってことこそ最大の幸運じゃないかな。つまり、その生息地 早くいや、その 人間関係 だが、それをさえ変えてやればいいんだ

 

神はただ正、不正双方の 可能性 をもった人間を創り出しただけの話で、そこでやめちゃった。正の方にしろ、不正の方にしろ、その可能性を伸ばすのは 人間関係 なんだな。その結果次第で、正しい人間にもなれば、不正な人間にもなる。

 

まず君の理想をより高く、 さらにより高く するように努めることだな。そしてその行き着くところは、みずからを満足させると同時に、隣人たちや、ひろく社会にも善をなすといった行為、そうした行為の中に君自身まず最大の喜びを見出すという境地を志すことさ。

 

青年  すると、あと道徳家としてなすべきことは、何なんです? 老人  これまで口の一方では教えながら、もう一方では否定してたようなことを、今後は公然と隠すことなく教えることだな。つまり、まず 己れ自身のために 善行をなせ、すれば、 隣人 もまた必ずその結果たる恩恵に浴するわけなんだからと、そんな風にまず考えて、大いに幸福感に浸ることだ

 

老人  つまり、 せっせと君たちの理想を向上させるように努めること

 

そして みずからがまず満足すると同時にだな、 そうすれば、 必ず君たちの隣人、 そしてまた社会をも益するはずだから、 そうした行為に確信をもって最大の喜びが感じられるところまで、 いまも言った理想をますます高く推し進めて行くことだ

 

どうだ、わしの言った通りだろう。心って奴はな、人間からは独立してるんだよ。心を支配するなんて、そんなことのできるはずがない。心って奴は、自分の好き勝手で自由に動くものなんだな。君たちの意向などお構いなしに、なにを考えつくかわからんし、また君たちの考えなどお構いなしに考えつづけることも

 

あなたのおっしゃる思考ってのが何だかは、だいたいわかってますよ。つまり、外界から受けた印象を、自動的、機械的に総合して、そこから一つの推論を出してくるってことなんでしょう。

 

ああ、実によくできた。だが、わしに言わせればだな、「本能」なんていうその無意味な言葉、要するに、それは 石化した思考 ってことにすぎんと思うな。習慣によって固形化し、生命はすでに失われたとでもいうか、かつては生き生きとしてた思考が、いつのまにか無意識になっちまった いうなればあの夢遊現象みたいなもんだな。

 

物質的 価値なんてものはない。あるのは、ただ精神的価値だけなんだ。いくら 現実、 実在 の物質的価値なんてものを探し求めたところで、無駄な話 そんなものはありゃしないんだから。ほんのしばらくにもせよ、それがもってる唯一の価値ってのは、ただ背後にある精神的価値だけなんだ。それを 奪っちまえば、たちまち無価値に転落しちまう いまの帽子がいい例だよね。

 

あてはまるとも。金銭もまたシンボルにすぎん。 物質的 価値なんてものは全然ない。

 

財産の価値は一挙に失われちまった。そこではじめて悟ったんだが、物を持つ喜びってのは、なにも金銭そのものからくるんじゃない。一にそれが家族のものに与えているうれしそうな顔、それをまた目のあたり見ている彼自身の精神的満足にあったってことが、はじめてわかったんだな。なにも金そのものに 物質的 価値なんかありゃしない。ひとたび精神的価値を 奪っちまえば、あとにのこるものは 鉄屎 だけなんだ。すべてのものがそうなんだ 大きなもの、小さなもの、堂々たるもの、くだらんもの、例外なんて一つとしてありゃし

 

その点からいや、みんな同じ。 物質的 価値なんかあるもんか。 精神 を満足させるかぎりは貴重だが、それがなくなりゃ、一文の価値もない。

 

主情念 つまり、精神の満足ってのはだな、なにもいわゆる物質的利益、物質的繁栄、つまり、現金だの、その他そういったものばかりを求めるとはかぎらん。いろいろと、もっとほかのことに関心をもったっていうだけの話だよ。

 

 

267.サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 会計編 三戸政和

まず、会社を買うために必要なのは「 値付け」です。前著にも記しましたが、会社の価値は「 純資産+営業利益3年から5年分」が相場です。

 

そのコラムには、講演会で聴衆から「お金は好きですか?」と聞かれた時、「自分にとってお金は、爪切りと同じです。爪が伸びたら使う道具。必要なときに、必要なことをしてくれる道具に過ぎません。僕からすると、『どうして爪切りが好きなんだ?』と質問しているように聞こえます。答えようがありませんよね」

 

貯金をしている人は、私に言わせれば、お金を塩漬けにして、得られるはずの経験を見送ってきた人なのです。

 

ちなみに私自身は、稼いだお金をすべて何かの体験に使っているため、貯金はまったくありません。

 

この「純資産」と「利益」の両方を見て、会社の価値が算定されます。  そのための基準となる計算式があります。それこそが、   株式価値=純資産+営業利益3年から5年分

 

減価償却累計額が大きければ、資産の購入時期はかなり前になることがわかります。そのため、次なる設備投資が近いことが想像できます。

 

会社が倒産するのは唯一、手形の不渡りを出した時 です。それ以外は、たとえ銀行からの借入金を返済できなくとも、取引先からの仕入れ代金を期日に支払えなくとも、頭を下げればなんとかなります。

 

逆に、冷凍焼けでも 50 万円くらいで買ってくれるツナ缶屋さんがいたら、 50 万円で在庫の評価を見直せますね。このように在庫の評価を

 

て、価値が下がっている商品のBSの金額を下げることを「 減損」と言います。この場合は950万円の減損

 

ドラマの世界の話のように感じるかもしれませんが、仕入れ代金を踏み倒して倒産する飲食業は結構多く、私もいくつか被害に 遭ったことがあります。飲食業は現金売上が多い商売なので、このような資金の先食いが起こりやすい環境にあるのです。

 

極端に言えば、 前受金の金額より現金が少ないBSは、不健全どころか先食いしてしまっている可能性がある のです。BSに前受金が出てきた場合は、必ずそれ以上の現預金があるのか確かめ、いつ受け取って、いつサービスを提供して、いつ支払いが来るのかを時系列で確認し、先食いしていないかを調べなければなりません。  前受金ビジネスの場合、使っていい現金(前受金)は、支払いが終わった後に残った利益分だけなのですが、取引量が増えると、どの取引の前受金かわからなくなってきて勘違いをしてしまうのです。

 

さて、 前掲の図 をもう一度見てください。資産の説明の時に、「上から流動性(換金性)の高い順に並んでいる」という説明をしました。つまり上の項目の金額が多ければ多いほど、いざという時はお金にできるので、すぐには 潰れにくい=倒産リスクは低いと言えます。

 

そして、新しく重要視されるようになったのが「 利益至上主義」です。  PLに戻ると、すべての費用を払い切って、残った利益が自分(株主)のものになるわけですが、この 利益を最大化させるのが、資本主義社会においてはとても重要 だということです。株主として拠出した自己資金(資本金)に対して、どれだけの利益を出し配当に回せるかが、株主目線ではいちばん重要な指標だからです。これを ROE( Return On Equity:自己資本利益率)と言います。

 

ここで、少しだけ専門的な話をすると「純資産+営業利益3年から5年分」という指標以外に、「 EBITDA( Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization:イービッダ)」という指標もあります。EBITDAは、税引前利益に、特別損益、支払利息、減価償却費を加算した値ですが、ややこしいので、中小企業の会社の買い方ではこのような覚え方は不要です。EBITDAとは、営業利益に「 減価償却」を加えたもの、と覚えてください。

 

ですから、このような株主の意向が存在する 株式会社にとって、現金を資産として持っていることは本質的に正しくない のです。企業にとって現金は、資産をより大きくするための投資に対して必要なものだからです。投資家からすれば、現金を寝かせておく企業に投資するくらいなら、投資せずに現金で持っておいたほうがリスクのない分よいわけですね。

 

ちなみに、現金の必要量は、月商の2~3ヵ月程度と言われます。それ以上でも、それ以下でもよくないということです。

 

経営の安全性という点においては、現金を含む流動資産が多いほうがいいのですが、将来的な会社の成長を考えると、流動資産が多すぎる企業というのは、「経営をサボっている」「経営を 怠けている」とも言えます。出資した株主からは、「ちゃんと経営してください」と怒られるでしょう。

 

流動資産がより大きな価値を生み出せる固定資産に変わるからこそ、事業は利益を生み出すことができます。資産を使って利益が創出され、ポイント残高である利益剰余金が積み上がり、そうして純資産が大きくなっていく のです。それこそが「経営の本質」です。

 

企業が資産の収益性をより高めようとすればするほど、資産の流動性は低くなる と言えます。それをしなければ収益性は低いままです。 収益性を上げるためにどれだけリスクを取って投資をするかが、経営者の手腕 と言えます。

 

過剰な現金を持ちすぎているのは、国債を買うより運用効率が悪い(というより、まったく利益を生まない)。そこで苦肉の策で、現金を減らすために国債を買ったというところではないでしょうか。そして、決算を締め、上場企業は財務諸表の開示義務がありますから、BSの国債が 公 になり、騒ぎになった。流動資産が投資家に評価されなかった象徴的なケースでしょう。

 

返済が終わりそうになったら、返し切る前にまた借り入れをすることをおすすめします。銀行は担当者がすぐに変わってしまいますから、人的なつながりを確保しておくことは重要です。

 

さまざまなしがらみもあってか不要な土地( 遊休資産)を売却するという意思決定を行っていなかったりする、ということがあります。地方などの土地をたくさん持っている企業は、今後の日本の土地価格下落を考えると、額面より低く評価されていてもおかしくはありません。

 

BSの帳簿に表記されている資産の価格(帳簿の価格という意味で「 簿価」)と、その時々に価格が変わる「 時価」とでは、しばしば 乖離 があります。ですから、その評価をうまく使っていくことで、BSでリターンを出すこともできるのです。

 

 

268.MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 シバタ ナオキ

ここで大事なのは、決算を読む「量」を増やすこと。そして、時系列で同じ会社の決算書を読み続けることです。ある会社の四半期決算を1時間かけて分析するより、同じ時間で1年分の決算を流し読みする方が、発見が多いの

 

eコマース(EC)には、大きく分けて2つのビジネスモデルが存在し

 

一つ目は、Amazon(アマゾン)に代表されるような「直販型」です。直販型のECビジネスは、自社で商品を仕入れ(買い取り)、それを販売し

 

二つ目は、「マーケットプレイス型」です。マーケットプレイス型のECビジネスは、自社で商品を仕入れることはせずに、売り手と買い手のマッチングだけを行います。マーケットプレイス型の中には、楽天市場Yahoo!ショッピングのような「店舗出店型」(売り手=店舗)のモデルと、ヤフオク!、メルカリ

フリマ型」(売り手=個人)と2つのモデルがあり

 

Googleは2012年に商品リスト広告をリリース済みです。調査会社のeMarketerがアメリカの小売りEC店舗における検索連動型広告の出稿種別を調べたところ、2014年第4四半期のアドワーズでは「テキスト検索連動型広告」が66%だったのに対して、「商品リスト広告」が20%となっていました。テキスト検索連動型広告の3分の1くらいが、すでに商品リスト広告に置き換わっている計算になり

 

 【宅配便市場】  ・日本の宅配便は年間37億個(2015年)  ・ヤマト運輸が17億個、佐川急便が12億個  【Amazonの宅配便】  ・Amazonの宅配便は推定2.5億個(日本の宅配便の6.7%)  【宅配便の単価】  ・個人向けは、平均的な段ボールサイズ(80cm)で関東~関西間980円  ・Amazonの宅配便は推計で1個200円程度

 

まず、この四半期に発表された基本的な数字を紹介しましょう。理由はこの後の節で述べますが、Amazonが最も重視する指標は売上でも利益でもなく「フリーキャッシュフロー

 

日本の感覚で言えば、Amazonたった1社で、ヤマト運輸や佐川急便並みに

投資をしている、という感覚でしょうか。すごいの一言

 

スマートフォンが全体の57%を占めており、中でもスマートフォンアプリが50%と最も利用率が高くなっています。同じ調査で、「デジタルメディア利用時間におけるスマートフォンアプリのシェア率推移」を見ると、2014年7月時点では41%だったのが、2016年7月には

増えていました。これらのデータからも、スマートフォンユーザーはWebよりアプリの方が便利だと感じて、多くの時間を費やしているといえ

 

この四半期の数字を見ると、ネット売上が$21.5 Billion(1ドル100円換算で約2兆1500億円)、営業利益が$1 Billion(約1000億円)、営業利益率は4.66%でした。通年で見ると、ネット売上が$63.7 Billion(約6兆3700億円)、営業利益が$2.8 Billion(約2800億円)で、営業利益率は4.32%です。  この後にクラウド事業の営業利益率と比較するので、EC事業の営業利益率はだいたい「4.5%」と覚えておきましょう。

 

この四半期で見ると、ネット売上が$2.4 Billion(約2400億円)、営業利益が$687 Million(約687億円)、営業利益率は29%です。  通年で見ると、売上が$7.9 Billion(約7900億円)、営業利益が$1.86 Billion(約1860億円)で、営業利益率は24%です。  急成長中のクラウド事業なので、利益率は今後上振れする可能性がありますが、この四半期の営業利益率から「25%程度」と覚えておけばいいでしょう。

 

では、それでもなお、決算結果によって「減益」や「赤字」といった言葉を使って報道されるのはなぜでしょう。あくまで私の主観では、こうした記事のタイトルはミスリーディングだと思います。YoYで素晴らしい伸び方をしている事業を新たに作っているという点はもちろん、そもそもAmazonは利益を出すということをゴールにしていないからです。  そんなことが株式を公開している企業で許されるのか、という気もしますが、Amazonは上場以来、ずっと「利益を出すことをゴールにしない」「利益ではなく キャッシュフロー* を最大化するのがゴールだ」と言い続けています。  図2-21のスライドが、その象徴です。これは、同社が決算発表をする時、毎回最初に出てくるグラフです。

 

ジェフ・ベゾスCEOがAmazon第4の柱に据えようとしているのが、家庭内音声アシスタント事業

 

ビジネスのテイクレートは2.6%~3.3%の間  ・この決算時期でテイクレートが一番低いのは楽天カードで、最も高いテイクレートなのはクレディセゾン  ・カードショッピング事業とカードキャッシング事業のテイクレートは、非常に大きな差がある

 

つまり、クレジットカードビジネスで最も収益を生んでいるのは「リボ払い」や「キャッシング」といった短期でお金を貸す事業だということです。これは、先ほど算出したテイクレートの比較を見ても明らかです。

 

キャッシングも同じ仕組みで、短い期間ではありますが非常に高い利息でお金を貸すというビジネスです。「リボ払い」や「キャッシング」では、法定利息ギリギリまで高い利息でお金を貸すことができるため、貸し倒れリスクを十分管理できて

 

を確認しましょう。はじめにPayPalの2016年10-12月期決算を見ると、

 

クレジットカードビジネスのテイクレートを分析した前の記事でも、「最も収益性が高いのは『リボ払い』や『キャッシング』といった短期でお金を貸す事業」と書きましたが、同じような結果が出た形です。

 

テイクレート(営業収益÷取扱高で算出)を比較すると、  ・クレジットカードビジネスは2.6~3.3%  ・個人間送金ビジネス(PayPal)は2.6~3%  ・店舗決済端末ビジネス(Square)は3.3%  ・金貸しマーケットプレイスビジネス(LendingClub)は5.7~6.5% ● クレジットカードビジネスの中で最も収益性が高い事業は、「リボ払い」や「キャッシング」といった短期でお金を貸す事業である ● 一般的に「トランザクション」機能より「金貸し」機能の方がテイクレートは大きくなるが、その分リスクも大きい

 

EBITDA……Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの略。金利や税、有形固定資産の減価償却費、無形固定資産の償却費を引く前の利益を

 

ライフタイムバリュー* で言いますと、大変正直に申し上げますと、ECよりも圧倒的に金融サービスの方が高い」  「ECでポイントを増配することによって、金融サービスなどで収益をさらに上げていく、という流れについては非常にうまく行って

 

楽天カード楽天銀行といったFinTechサービスは、ユーザーがいったん使い始めたら離脱しにくいため、常にAmazonYahoo!ショッピングと比較される楽天市場に比べてライフタイムバリューが高くなる、というのは納得できます。

 

これまでの楽天にとって    国内EC=利益を生み出す「稼ぎ頭」  だったのが、図3-14によれば    国内EC=(優良)会員獲得の入り口  という具合に位置づけが変わっています。楽天はFinTechビジネスで稼ぐ自信があるからこそ、国内ECの短期的な減益もやむを得ない、ということでしょう。つまり、楽天の「ECポイント消耗戦」

 

先にある戦略は、「FinTechで稼ぐ」になるの

 

 ・1万143円の買い物代金を、2カ月後の支払いにすることで、324円の手数料がかかるので、金利は「2カ月あたり3.19%」となる  ・これを年利(12カ月)に直すと20.76%という非常に高い金利になる(※3.19%を複利で6回=12カ月分借りると20.76%)  ・つまり、「ツケ払い」は「年利20.76%のリボ払い」とほぼ同じ

金融商品

 

ここで、少し余談を。リクルートという会社は、1980年代に「リクルート事件」という大きな贈収賄事件を起こしたこともあってか、最近まで文字通り「借金ゼロ」の状態であそこまで大きくなりました。  一時期、2兆円くらいあったと言われる有利子負債を全部返して、それでいて巨額の企業買収を立て続けにやるだけの資金を稼いだわけですから、すごい会社です。  時価総額が1兆円を超えているのに、借入がほとんどないのは驚異的ですし、違った見方をすればバランスシートをうまく使ったビジネスが下手だった、とも言え

 

元手となる資本を必要としない事業

 

利益を生み出すという意味では、右に出る者がいないリクルートが、融資のような「バランスシートで勝負する商売」をどうやって軌道に乗せるのか、個人的には非常に注目してい

 

このパターンを説明するには、楽天の例を取り上げるのが一番いいでしょう。楽天グループの2015年12月末時点の連結バランスシート(図3-21)を見てみると、楽天銀行での「預金」が1兆4655億円ある一方で、楽天カードの「貸付」が8321億円と明記してあります。見事にバランスしています。

 

つまり、銀行業でお金を預かって、カード業でお金を貸す、という形にすることで、バランスシートが無理なくバランスするような仕組みになっているのです。  実際

 

多くのクレジットカード会社が、銀行の子会社として設立された背景はここにあると考えられ

 

実際、ヤフーも

準備をしているように見えます。2014年4月に三井住友銀行の子会社だったジャパンネット銀行の株式を取得し、筆頭株主三井住友銀行と同数)となり、ジャパンネット銀行はヤフーの持分法適用関連会社になりました。従って、そう遠くない日に、ジャパンネット銀行の株式を買い増して、連結にするのではないかと予想されます。  紹介してきた2つの

見ていただければ一目瞭然ですが、自動車の製造販売事業よりも、金融事業

方が、営業利益率が非常に高いことがわかります。また、営業利益の絶対額においても、金融事業の営業利益が、自動車の製造販売事業の利益の10%を超える水準まで高くなっていることがわかります。  日産は自動車の製造販売の営業利益率が他社よりも低く、一方で金融事業の営業利益率が他社よりも非常に大きいというのが特徴的です。カルロス・ゴーン氏による改革のプロセスで、より営業利益の高い金融事業を、最適化して行った可能性も十分考えられ

 

このように、自動車会社による金融事業・ローン事業は、非常に収益へのインパクトが大きいビジネスです。現時点ではTeslaは、第三者の金融機関とパートナーシップを組んでローンを提供していますが、自動車製造販売事業での赤字が解消され、貸借対照表が綺麗になって

 

タイミングで、このようなFinTech事業を自社で提供してくる可能性が高いのではないかと考えてい

 

NHKが2016年2月17日に発表した「2015年国民生活時間調査」によると、2015年のテレビ行為者率は85%だったそう

 

 ・毎日、日本の全国民の85%がテレビを観て

伸びているそうです。地上波テレビがリーチしにくくなったと言われる若年層にリーチできているという点は、広告商品を販売していく上での差別化につながります。これも、AbemaTVの強みになるでしょう。

 

Netflixがすごいのは、郵送DVDビジネスでシェアNo.1だったにもかかわらず、自ら率先して動画ストリーミングビジネスに事業を転換した点です。通常、シェアNo.1のプレーヤーは「イノベーションのジレンマ」に陥り、事業転換が遅れがちですが、見事な事業転換を果たしました。

 

携帯キャリアがMVNOに回線を開放すれば、MVNO事業者が増えます。当然MVNO事業者は低料金で参入するので、キャリアの携帯料金も下がりそうなものですが、現実にはそうはなっていません。  一番大きな要因は、多くのMVNO事業者が、携帯端末の分割払いに対応していないからでしょう。

 

スマートフォンが高度化するにつれて、端末の値段は高騰しています。例えばiPhoneは10万円近くする超高級機種で、見方によってはノートPCよりも高価だとも言えます。  この10万円近い高級品を一括払いで買える人は非常に少ないと考えられます。ましてや、既存の携帯キャリアが分割払いでの支払いに対応している中、わざわざ一括払いで買うユーザーは限られるでしょう。  この「端末の分割払い」が解決しない限り、MVNO事業者が大きくシェアを奪うのは難しいのではないかと考えています。楽天モバイルMVNOでシェアを増やしているのは、いち早く端末の分割払いに対応したからでしょう。3章のFinTechビジネスでも説明したように、金融ビジネスを持っている楽天であれば、携帯端末の料金を分割払いにするのはさほど難しくなかったはずです。  楽天モバイル以外

 

 

277.面白い生き方をしたかったので仕方なくマンガを1000冊読んで考えた →そしたら人生観変わった 堀江 貴文

私自身、いろんな本を発表したりメルマガで発信している物事の中で、かつてマンガに描かれていたことが実際に未来をつくっていく様子を何度も見てきた。遊びとはつまり、想像の中の知識を身につけるための頭の運動であり冒険なのだ。

 

日本の飲食業界は世界でも最先端の進化を遂げている。四季がはっきりしており、国中を海で囲まれ野菜から肉、魚まで豊富にとれることから、この国の支配者層は昔からグルメであった。

 

とくにJAXAの理事長、 茄子 田 シゲオの「人の悪口というのは 仲間内で言う人は〝凡人〟 口に出さない人は〝賢人〟 不特定多数に向けて発信する人は〝暇人〟」というセリフは名言だ。

 

もしも今、私が中学生だったら、絶対に投資をやっていると思う。やらない理由が

はこの鈴木商店のエピソードからファイナンスの重要性を学んだ。台湾銀行からの借り入れに頼ったこと、グループに銀行がないことなどが致命傷になったわけだ。だから私は銀行に頼らず、直接金融にこだわった安定経営を目指したのだ。  そうした学びから経営を行っていたはずでも、落とし穴は思わぬところにあった。検察、そしてメディアからの攻撃だった。

 

何故なら、これから人々の仕事の多くは自動化され、労働時間は短くなる。そうすると余暇をどう過ごすかが重要になっ

 

「マンガはしょせん遊び」「実利になることは書いていないつくり話」という先入観をひっくり返してくれる実用的なマンガを紹介しよう。  そもそもマンガとは、言い換えれば「時短メディア」なのだ。マンガは絵がある分、情報量が多い。文章であれば数行読まなければならないような人物描写や風景描写も、1枚の絵で表現することができる。そうして視覚情報で示されることで、難しいテーマでも理解しやすい。しかも細かなデータは文章で補足することも可能だ。  マンガはこれからの時代に必要なメディアだ。SNSによってコンテンツが増えた時代において、大量の情報を効率よく吸収してゆくために、マンガというメディアが大きな可能性を持っていると私は考えている。

 

テレビ局をめぐる闇についてはネットなどで散発的に噂レベルでは上がるものの、大々的に報道されることはまずない。たとえば格闘技テレビ中継と暴力団とのつながりだ。私も実際に名の通った格闘技団体の楽屋裏でその筋の人を見かけたことがある。おそらく氷山の一角なのだろう。また、下請けの製作会社のADなどの過酷な労働環境も報道されることはないが、このマンガでは赤裸々に描かれている。

 

実は企画協力者「メンズバイヤーMB」氏は、有料メールマガジンでファッションコンサルティングをしている。なんと私の有料メールマガジンに次いで二番(2015年)の売り上げを確保している。メルマガだけでウン千万の売り上げだ。  男性向けのコーディネートに役立つ情報を提供しているのだが、ユニクロなどの格安店を活用した、コスパの高いコーディネート提案を多数行っていることが読者の支持を集めている。最近はオンラインサロンも始めており、こちらも大人気だという。

 

堀江さんは細かい遊びまでたくさんやってるじゃないですか。誰もやってないようなゲームアプリでも遊んでる。僕、インターネット系の経営者が遊びをつくっていくのが大事だと思っているんですよ。  今、インターネット系の経営者で遊んでる人いないですよね。彼らがネットでの新しい遊びに気づくとは思えないんですよ。だから結局、エンターテインメントがスマホの中でまだ全然始まってないんですよ。

 

マンガって1ページあたりの情報量が多いので、単位時間あたりに取れる情報がすごく多いから「時短メディア」にもなる。マンガって実はけっこう役に立つんだよな。なので、別に偏見とか持たずに読めばいいと思うんですよ。今はiPhoneアプリもあって、こっそり読めるし(笑)。

 

栄光なき天才たち』(森田信吾・画、伊藤智義・作、集英社)※5章

 

 

266.「め」は大事 (HIU編集学部) 堀江貴文

いまはまだ視力回復手術の予定がない人も、コンタクトレンズを長く使ってきたなら、一度眼科医の検査・診断を受けるべきだ。コンタクトレンズは長年使い続けるものではなく、あくまで短期間・短時間にとどめて、最終的には眼鏡か視力回復手術を選ぶべきだ。

 

「予防」にちなんで、 40 代を迎えれば遅かれ早かれ誰もがなる老眼の話もしておきたい。人間は遠くや近くを見る際に、水晶体の厚みを変えることでピントを合わせている。加齢により水晶体が硬くなってこれが困難になった眼が老眼だ。 老眼は 40 代になるとはじまり、この頃からそろそろ白内障を発症する人が現れ、 80 代になるとほぼ全員が罹患する。眼の水晶体が白濁し、視界が悪くなる疾患だ。

 

子どもを持つ人に伝えておきたいのが、オルソケラトロジーという治療法だ。ギリシア語でオルソは矯正、ケラトは角膜、ロジーは療法といったような意味だそうだ。専用のハードレンズを夜間の就寝中に装着しておくと、角膜のカーブに〝クセ〟がついて、起床後レンズを外すと眼鏡もコンタクトもなしで日中を過ごせるというものだ。 ただし、時間が経つうちに次第にカーブは元に戻るので、夜にまた装着する。使用をやめれば本来の自分の眼に戻るから安心

 

近視が進行する成長期はオルソケラトロジーで裸眼を維持して、度の進行が止まる 20 代でレーシックやICLを受ける。 50 代で老眼がはじまる頃には遠近療法の多焦点レンズを入れる。たとえ近視になっても、このような対策を組み合わせれば、生涯にわたって裸眼で過ごすことも可能になる。 人間が受け取る全情報の 80% 以上は、視覚からだといわれている。

 

レーシックもICLも、日常生活における眼についてのストレスから解放してくれる。よく見えることで、行動も精神面にもよい影響を及ぼし、仕事のパフォーマンスも上がるはずだ。

 

 

265.僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない新時代の必須スキル 藤原 和博

自分の子の精神的基盤に、義務教育を修了する 15 歳くらいまでに、最低限「根拠のない自信」が芽生えていればいいのだと思う。  この「根拠のない自信」のことを、教育界では「セルフ・エスティーム」と呼ぶことがある。日本語に直訳すれば「自己肯定感」。自分は大丈夫、OKだ、将来は開けているし明るい、という前向きな心持ちのことだ。

 

僕の場合、怒られるを通り越して「呆れられる」ですね。「あいつ、しゃあないな」っていう。  自由を勝ち取るためのポイントは、「こいつはだめだな」って諦めて

 

ことです。普段からずっとイイ子でいたら、こいつにはもっと目標を高く設定してやろうってなりますけど、そうじゃなくて、相手の期待と全然違う方向に突き抜けるんです。徹底し

 

西野  最近「1年に1つ、何かをやめる」というのをルール化したんです。新しいことをやり続けないとどんどん老いていくなと思っているので。うまくいっているものの中から何かをやめる。毎年1つずつやめていくんで、その分新しいことを創り続けていかなくちゃいけないように

 

藤原  今は、学校はなくていい、という批判もあるけれど、確かに日本の学校システムというのは、皆を標準化する装置なんだよね。でも逆に、僕は標準化を強烈にやればやるほど、そこから逃れてとんでもなくクリエイティブな奴が出てくるという感じもしている。  

 

最後に、今、ホリエモンは子育てしてないけど、もし子どもがいたとしたら、これだけは絶対やらせるとか、やらせない、とかそういうことはあるの? 堀江  親の役割は、見返りを求めないパトロンみたいなものだと思って

 

ので、子どもが「やりたい」と言ったことにお金を出す。ただし、投資家ではないから、リターンは求めない。寄付です。求めてはいけないと。よく「わが子に投資」というけれど、投資するのではなく、あげるん

 

僕が外資系の投資銀行をやめてSHOWROOMを立ち上げたのも、一つには、この、客体から主体へ・依存から自立へ、というロジックがあります。自分の人生を自分でコントロールしたいと思っているから。いくら高い報酬を約束されて、大きな仕事を任されていても、自分の時計を誰かに預けた状態──上司に評価されたり契約で縛られたりしている状態では、自分主体になることはできないのだろう、そう感じています。  たとえばキングコング西野さんや堀江(貴文)さんのように、自分主体

 

個体の論理で生きている人は、一時的な人気の上下にまったく影響されずに、やりたいことを自由にやれていますよね。多少叩かれることがあったって、かえって人気が上がるくらい。  これから、僕らが目指さなくてはならない生き方は、そっちかもしれない、と思うん

 

国や国家というものが認めなくても、ファンが認めてくれさえすれば、そこで承認されれば生きられる。僕は、これからはそんな分散型の社会になっていくかもしれないと思ってい

 

誰かに強烈に愛された経験がある人は、一歩を踏み出すことができる

 

僕は、「誰かに強烈に愛された経験のある人は一歩を踏み出すことができる」と言ってるんだけど、どうだろう? 前田  まさにおっしゃる通りかと。僕、人から受けた愛情の総量を競うコンテストがあったら、きっと世界一になれると信じてます。ただし「総量」というのは、人数の合計ではなくて、一人の人間から受けた愛情の総量です。  物心がついた5歳くらいのときから、8歳で母がなくなるまでの3年間、母から受けたと感知している愛情の量がものすごかったんです。それと、兄から受けた無償の

 

たとえ自分のいる環境や境遇がマイナス100としても、そのマイナスをプラスに変えることができたこれまでの力の源泉は、僕が受けた愛情の総量にあると思い

 

久世さんの名言に「人生は移動距離で決まる」というのがある。ヤンキーがイマイチ伸びないのは、生活圏が狭く世界観が小さいから。「学校での学力も社会に出てからの稼ぎも、その人間の移動距離で決まる」とまで

 

言い得て妙だし、亀山さんを見ているとその通りだなとも思えてくる。「移動距離」というキーワードを「経験の幅」とか「経験値」と言い換えるとより納得できるだろう。

 

だから、投資してあげて馴染みの生活圏から移動させることでヤンキーも高校生も伸びる可能性がある。自分の子どもについても言えるかもしれ

 

どうしてそんなに突っ込んでいけるんですか?……という僕の素朴な問いかけに、「子どもの頃は愛とは感じなかったけど、やっぱり母親から存分に愛情を注がれたからかなあ」と最後に答えてくれた。「毎日、弁当作ってくれたし」

 

家の中も、あったかい感じでした。親父はいつも遊んでくれて、学校ではイマイチな感じの自分を「いつか大物になる」って、毎日すごくほめてくれました。学校がつまらなくても、家に帰れば受け止めてくれる場所があったから、全然平気。おふくろも水商売っぽい感じもなくて、いつもご飯を作ってくれた。  僕はその環境を「風俗業界のサザエさん」ってよく言うんだけれども、まさにそんな家庭でした。

 

夫婦仲にしてもそうです。僕は、親父とおふくろがケンカしているところを見たことがなくて。友だちから「両親がしょっちゅうケンカして嫌だ」という話を聞いて、ほかの家ではそういうことが起こっているんだと初めて知りました。  おふくろがあまり何も言わずに、やるべきことをちゃんとやっていたというか。だから、両親の仲が悪いとか、ガミガミ怒られて嫌だとか、そんな

 

を何も感じずに育てられたんです。 「母親の愛に包まれて」とかよく言うけれど、愛されていたことすらわからせないほどに愛されていたんでしょう。わざわざ「愛している」と伝えるまでもないほどごく自然に愛されていて、それを「ありがとう」って感謝するまでもなく、当たり前に受け取っていたのかなって、最近思うんです。  

 

一方僕は、実家が水商売をやっていても、愛情に恵まれた家庭で育ってきたおかげで心の闇もないし、仕送りもしてもらって経済的に困る状態にはありませんでし

 

ですが、それがだんだんコンプレックスになってきたん

 

子どもにはビジネスの話はしません。「彼女できた?」とか、そんな話です。  会社を引き継がせることも考えていないです。おそらくすごく苦労し

 

から。まず、金目当ての女が寄ってくるでしょう? そうしたら、「こいつは俺自身が好きなのか、それとも金目当てなのか」となって、本当の愛がもしあったとしても、見失ってしまうかもしれない。それ以外にも、派閥抗争に巻き込まれたり、悪い友だちが寄ってきたりするかもしれない。だから、事業の継承は社員に対して行なって、自分の代だけを考えるほうが結局は幸せなんじゃないかと思い

 

ただ、初めて商売をはじめるに当たってお金を借りるとき、親父には保証人になってもらったので、「起業することがあったら保証人にはなってやるよ」と言ってい

 

そうなったらつまらないなと若いうちから考えていたので、歌って踊れる金持ちじゃないですが、お金もあるけど、友だちもいて家族も笑っているような、バランスがとれた状態でいたいと思います

 

おそらく100万円と200万円の差は大きいけれど、100億円と200億円とは大して差がないと思うんです。  ビジネスの達人というよりも、人生の達人みたいなのを目指して、いろんなものがバランス良く成り立っているのが、自分としてはハッピーです

 

これはスーパーだけじゃなくて、どんな仕事にも嫌な面や、大変な部分もたくさんありますよね。でも、そこを誰かがやらないと世の中は回らないんです。金融は取り立て屋がいないと成り立たないし、不動産は地上げ屋がいないと開発できない。そういったことについて無関係だ、自分たちは一流のことをやっているんだ、と思っている人たちもいるわけじゃないですか。  そこは、ちょっと違うんじゃないかな、と思うん

 

コミュニケーション能力を鍛えるという意味でも、人間関係に強くなるという意味でも、「ナナメの関係」を豊かにすることが大事なんですね。

 

実際、医学部受験に追い込んだ息子が親に報復を仕掛けてくる事件などもありました。小学校の高学年から中高生になったら、親が直接指導する局面を減らし、「ナナメの関係」からの指導に切り替えることをお勧めします。  塾が少子化にもかかわらず隆盛を極めるのには、こうした理由もあるのです。

 

幼児教育で著名な「花まる学習会」の高濱正伸代表は、はっきりと「缶蹴り」をやっていない子は空間認識が弱いから図形問題でつまづいてしまうと指摘しています。「木登り」と基地作りでも同じことがいえそうです。  あるものを自分の高さの目線から見るのと、木に登って見るのとどう違うか? 視点が高くなれば、視座が変わり、視野が開けることを体感しているかどうか。

 

タフな経験が一番の特効薬だ。居心地が良く便利で快適なほうではなく、むしろ居心地の悪いほう、不便なほうで、不利な戦いをするほうが、よほどためになる。親が条件整備をしすぎるとかえって逆効果なのだ。  だから、中学受験に子を追い立てて、親子が「共依存」状態(お互いを頼ってベッタリになること、親離れ、子離れできないくらいともに依存する

にまでなることはあまり勧められない。高校生になっても、大学生になっても、なかなか子離れできなくなるから

 

前章で書いたように、無理をしてでも自然に親しませ、親がしたような危ない遊びをさせることはできるだろう。サマーキャンプに参加させたり、第二の田舎をつくって預けてしまうようなこと

 

もう一度繰り返す。 10 歳までにいかに遊んだかが大人になってからの「情報編集力」の基盤を作るの

 

3つ目には、大人になってからならコミュニティに首を突っ込んで、名刺の通じない場所で会社や役所とは違う人間関係を築き、自分の居場所を確保するのがいいと思う。コミュニティで揉まれることも「情報編集力」を高める

 

僕自身は、三人の子(息子二人と娘一人)に対して高校まではスマホを持たせなかった。でも、それは 10 年前の状況だからできたことだと思う。  取材でも話していたが、ホリエモンは、今なら百科事典ではなくスマホにはりついていただろうと語ってい

 

最後に、できるのであれば、スマホは買い与えるのではなく、親が買って子どもに貸すほうが利口なやり方だと思う。  貸すのであれば、契約書や覚書を締結するかどうかは好き好きとはいえ、条件を設定したり、罰則規定をあらかじめ設定することも可能になる。いっぽう、買い与えてしまったら、管理不能になることは必定だから(

 

以前、ホリエモンから「親からほめられた記憶がない」という話を聞いたことがあるが、ソフトバンク孫正義さんは小さな頃から「おまえは天才だ」と褒められ続けた逸話が有名

 

これについてはLITALICOの長谷川敦弥代表ともよく話すのだが、どうやら共通の特色と言ってよさそうだ。ビル・ゲイツもそうだし、スティーブ・ジョブズもそうだった。勝手に決め付けて悪いが、イーロン・マスクもピーター・ティールもジェフ・ベゾスもそうにちがいない。  要は、突出してこだわれる者たちが、市場を根底から変えるような革命家として変態(メタモルフォーズ)する。

 

 

こだわりが強いから、試行錯誤を続ける根気があって、成功するまで諦めないからだ。昔、松下幸之助が成功の秘訣を問われて答えた言葉が蘇る。「成功するまでやめなけりゃあいいんですよ。途中でやめるから失敗と呼ばれて

 

この踏み出す勇気については、僕自身は母親が無条件に愛情を注いだ結果だと語ることが多いが、読者は4人のインタビューから何を感じただろう

 

それが母親でなくてもいいのだが、誰かに無条件に愛された経験は、わからない世界に向かっていく「根拠のない自信」の基盤になっているような気がしてならない。普通の人からすれば、かなり不幸な体験をした前田さんでさえ、お兄さんから無条件に愛されたから、なんとかお兄さんを喜ばそうと努力した。  とすれば、親にできることは二つしかない。

 

子どもが何かに没入し、集中して向かっていくときに邪魔しないこと。できたら、その突進を応援してあげること。  それと、条件をつけずに(私立の中高一貫校に受かったらとか、東大に受かったらとか、財務省に入省したらというような条件をつけずに)無条件に子どもの成長を見守ること。それが「根拠のない自信」の基盤を

 

キミの存在そのものが自分にとっての喜びなんだ。生きて、世の中の常識と戦ってあがいてくれているだけでいい。そんなふうにドーンと構えていること。  

 

これからの子どもたちは、自らを希少性のあるものに育てなければならない。  僕は彼らに直接メッセージを伝えられるときには、「自分自身をレアカード化しろ!」とエールを贈る。本当は、親たちにも同じ試練が襲ってくる。学歴が高いことにあぐらをかいて情報処理力だけを高めても、やがてすべての処理仕事はAI武装したロボットかクラウドに奪われる。みんな一緒でいい時代は終わったの

 

だから、みんな一緒に大きなことをやる夢より、それぞれ一人一人の希少性を大切にして、主体的に思いついたことがあればネットで脳を繋げながら、協働的に成し遂げていけばいい。その意味でも「希少性」を磨くことこそが、ネット社会からあなたの子どもとあなた自身が他者からアクセスされ、味方を増やす条件になるだろ

 

つまり、人間が信用されるためには、皆と同じの「上質な普通」が保証にならない時代に入ったということ。逆に、信用されるためには、集団から浮いてもいいから「希少性」を高めなければならないという理屈だ。勉強するのも仕事をするのもこの「信用(クレジット)」を蓄積するためなのだから、親の仕事だって「希少性」を追う方向へのモードチェンジが必要

 

 

264.ブチ抜く力 与沢翼

本日夕方に届き、いっきに読了。

改めて凄い。

GWBSで学んだ事ばかりだが徹底復習が必要だ。

GWBSを長期中心にもう一周しよう。

 

自分の目標をもう一段上に設定することにした。

 

 

 

人と群れるな。

センターピン設定して3週間続ける。

ほどほどの結果を目指すな。ブチ抜いた存在を目指してこそうまくいく。

10年後を輝かせる事に意識をシフトすべき。