345.少ない時間でも上手くなる パターの本 中井 学

そんな過信や勘違いからそれほど練習しなくても上手くなれそうな気がして、パットの練習自体が地味なために練習をつい後回しにしてしまう人が多いのです。  スコアにもっとも影響するのはパットであることを、プロたちは豊富な経験を通して理解しています。だからドライバーやアイアンなどのショットよりも、パットの練習に多くの時間と量をかけています。  プロとアマチュアの練習量の違いがもっとも大きいのはパットであり、技術の差がもっとも表れるのもパットなの

 

 今となってはロングパットの練習を毎日しなくても、いざという場面で常に正確なロングパットが打てるのは、少なくともパターを持ってボールをポーンポーンと転がすくらいの簡単な練習を毎日毎日欠かさないからです。  多くのアマチュアゴルファーは、実際にコースに立ったときに何をどうすればパットが入るかのイメージがまったくできていないようです。それが結果的にパッティングの不安定さにつながり、なかなかスコアアップが実現しない理由です。  1日5分間だけでも毎日パターを持って素振りしたり、ボールを打つだけでも、コースに出たときにパッティングの良いイメージやフィーリングがすぐに蘇るようになります。毎日パターに触っていれば、コースでしっくりこないことがなくなり

 

3フィートよりも長い距離になるとメンタル面の要素が関わってきますが、3フィートまでならメンタルとは無関係に技術だけでカップインできる距離でもあります。  だから、現在の米ツアーの平均パット数部門でトップクラスのジョーダン・スピースやルーク・ドナルドたちは3フィートの練習をとても大事にしていますし、コーチたちも「3フィートをおろそかにする人間はパットで死ぬ」と口を揃えます。  それと比較すると、一般のアマチュアゴルファーは3フィートが入る確率がガタンと低下します。2球のうち1球を平気で外してしまう人もいますし、3球打ってやっと1球入るという人もザラです。  残念なことに日本では3フィートのパットの重要性を説く人がまだ誰もいません。そこで私からの提言です。少ない時間でパットが上達したいと願う人こそ、絶対に3フィートの距離の練習を徹底的にすること

 

3フィートの距離はしっかり技術を磨けばアマチュアゴルファーでも100パーセントに近い確率で入れられるようになります。 95 パーセントくらいになればプロゴルファー並みといえますが、そこに辿り着くまでは根気が必要ですし、1球ごとに「しっかりと入れる!」という気持ちで集中力を高めて打つことが大切

 

アドレスの姿勢をラインの前方から見たとき、左ヒジから先とパターが一直線に見えるようなアドレスが理想 です。それよりも若干ハンドアップになるのはいいとしても、ハンドダウンの構えは避けましょ

 

結論をいうと、 100パーセントに近い確率で3フィートのパットを決めるには、アドレス時の両目の位置や目線を絶対に変えないこと が重要なポイントなのです。目の使い方としては、ストローク中にパターヘッドを目で追うのは絶対にやめて

 

なぜストローク中に体勢が崩れるかというと、アドレス時の両足の「加重」が変わるからです。2~3メートルどころか、3フィートの距離のパットを打つときも両足の加重が変わってしまう人がとても多いのです。  その点、 プロたちは打った後もアドレス時の加重がまったく変わっていません。 それがプロとアマチュアのパットの一番の違いといっていいでしょ

 

3フィート以内のパットは必ず入るという絶対的な自信があれば、ロングパットを打つときに不思議なほどカップが大きく見え

 

カップに対して体を真っ直ぐ向けるのは、両目をカップに正対させることで方向を確認しやすくするためです。  両目がカップに正対している状態で、ボールがカップに向かって転がっていく軌道や転がりのスピードを想像しながら素振りを数回繰り返すことが大切 です。  この作業をアマチュアの人たちは案外していません。ボールの真後ろからカップを見ることはあっても、傾斜を確認してボールが右と左のどちら側に切れるかだけを見るだけで、ライン全体のイメージが明確になっていないの

 

プロたちは実戦だけでなく、練習グリーンでも必ずボールの真後ろからラインを見ています。ところがアマチュアの方々のスタート前の練習グリーンの風景を見ていると、このルーティーンワークをしている人が誰もいません。両目をカップに正対させた位置から見て、ラインのイメージづくりの練習をしっかり積んで