286.大富豪が実践しているお金の哲学 冨田和成

こりゃ勉強になる。

 

大富豪にとって食事は健康の源であると同時に交流の機会でもあると考えているので、自らの意思でネットワーキングの手段を断つことは考えられません。多忙を極めるベンチャー企業の若手経営者などは、ランチですら「今日は誰と食事をしようか」と考えているくらい

 

仮に夜の会食に、ビジネスの第一線で活躍する逸材が集うとしましょう。  参加費は2万円。普通の飲み会や合コンに行くより相場が高いです。  しかし、その会食に参加することで得られるものを考えてみると……  ・経営者と接点ができるかもしれない  ・ハイエンドのコミュニティーに入るきっかけになるかもしれない  ・稀少な情報を入手できるかもしれない  ・自分の視点が上がり、仕事へのモチベーションも上がるかもしれない  と、さまざまな期待リターンが想定できます。  使った「お金」と「時間」を上回るリターンが得られるチャンスがあるなら、それを活かさないのは実にもったいない話

 

もうひとつのデメリットは時間を売りすぎると機会損失の恐れがあること。自己研鑽や人脈構築の時間にあてていればもっと収入が増えるかもしれないのに、仕事に追われているとそういったチャンスを逃す可能性が高まり

 

まっとうなことをするだけで、大富豪になることはできます。  私の知る大富豪を見ても、または世の中で成功したビジネスモデルを見ても、結局のところ誰よりも早く消費者のニーズを読みとったか、誰よりも早く行動を起こしたか、誰よりも完璧なサービスを提供できたか、のいずれか

 

とくに 30 代、 40 代の立身出世型の方は派手な生活をされる方が多く、「仕事もバリバリやりながら、よく遊ぶ体力があるなあ」と感心してしまうこともよくあります。  冒頭の節で取り上げた年収2000万円のサラリーマンと違って、すでに何十億円もの資産を築いた大富豪からすれば、コップから溢れた水を飲んでいる限り出費は痛くもかゆくもありませ

 

ただ非常に興味深いことに、若いときに豪遊三昧だった人でもどこかのタイミングで必ずと言っていいほど我に返ります。   50 代を過ぎて遊びまくっている人はたいてい遅咲きだった人で、若いときに成功を収めた人は

 

年齢にもなれば遊び尽くした感覚を持ち、派手な生活に虚しさすら覚えるようになる人もいます。好き放題やってきた人が、家庭に回帰したり、自分が得た利潤を社会や地域に還元しようという意識が湧いてくるの

 

ウォーレン・バフェットは自分の資産の 85%は寄付すると宣言しており、ビル・ゲイツ自身も自分の死後、資産の 95%は寄付すると明言してい

 

圧倒的な資産を築いた大富豪は、世の中のためにお金を還元するの

 

大富豪は成功の過程で敵を作らないことが、いかに重要であるかを知っているので、計算高いセルフブランディングとまではいかなくても、少しでもイメージを上げるべく社会還元しているという側面は否定できませ

 

このように、ビジネスシーンでのファッションは自分の好みを優先することより、相手に与えたい印象から逆算して決めることがとても大切

 

たとえば、初対面の人と会話をするとき、誠実な人だと思われたいなら終始丁寧な言葉づかいをするでしょう。逆に、距離を縮めたいならあえてフランクな話し方をするなど、目的に応じて言葉を使い分けているはず

 

このように、大富豪が金持ちアピールを避ける最大の理由は、実は安全面についてです。  お金を稼ぐことにデメリットがあるとすれば、悪い人間を呼び寄せてしまうことでしょ

 

直接的な強盗被害にあわなくても、誘拐、投資詐欺話、美人局、謎の親戚の出現など、悪だくみをする人間はいくらでも湧いてきます。そういった危険をいかに遠ざけるかも大切なことです。  また、あまりに派手な恰好をすると 妬み 嫉みで意味なく敵を作る恐れもあります。本人は何もしていないのに「あいつ嫌味なやつだな」と思われてしまうこともあるでしょう。  本当の大富豪はできる限り敵を作りません。  自己顕示欲を満たしてチヤホヤされるよりも、謙虚な振る舞いをした方がはるかに得る物が大きいことを知っているの

 

信用や好感を買って、より大きなリターンを得る。  こちらも投資発想と言え

 

それなりの資産を築く方々は考え方や趣味、関心領域、生活スタイルなどが多くの人とは違います。となると、自然と同じような大富豪と付き合う機会が増えてくるわけですが、そこがまた居心地がよくて刺激にもなるので、ますます閉ざされたコミュニティーの結束が高まっていくわけ

 

その点、別荘はホテルと違って自分がホストで相手がゲストであることが明確です。そこに別荘特有の特別感や非日常性が相まって、心ゆくまでおもてなしができます。  ただ、遠方まで足を運んでもらうのも心苦しいので、東京から比較的近い軽井沢や三浦半島、湘南、伊豆などが人気なのです。  そういえば安倍晋三首相も山梨県の河口湖畔に別荘をお持ちで、政財界関係者や記者などを招待している姿を時折ニュースで見かけ

 

大富豪の世界は紹介でなりたっている、と書いても過言ではないくらい、紹介の連鎖が頻繁にします。人の紹介、商品の紹介、お店の紹介

 

インナーコミュニティーの話をした通り、大富豪は若干閉鎖的な一面があるものの、いったん仲間として迎えてくれたとたん親身になってくれます。  大富豪の先輩であればいいお店のストックもたくさんあるでしょうから、いくらでも紹介されるようになり

 

「自己投資するなら何か」という質問に、私は次の4つの分野を挙げます。  ・コミュニケーションスキル  ・ファイナンスの知識  ・PDCA力

 

コト消費の最たるものは旅です。  新しい価値観に触れる、人類の壮大な歴史を学ぶ、偉大な自然に圧倒される、心洗われる美しいものに感動する。こうした体験が人をさらに成長させます。  大富豪は現状維持を徹底して嫌います。その点、旅で得られる体験は人としての幅を広げ、視野を高めてくれ

 

自立した人材に育てるには何より環境がものをいいます。  ハーバード卒が常に引き手あまたなのはテストの成績がいいからではなく、世界から集まった秀才と濃密な4年間を過ごした経験に価値があるからです。インターナショナルスクールが人気なのは、物心ついたころからダイバーシティを肌身で感じることができるからです。  こうした環境づくりにはお金がかかり

 

しかし、そこに何千万かかろうと、資産をしっかり引き継ぎ、それを元にさらに大きくしてくれれば、長期的には利回りは何十倍、何百倍にもなります。というより、それくらい稼げないと、相続税分を超える形で資産を蓄えていくことは難しいかもしれませ

 

それに子どもに稼ぐ力が身についていれば、万が一自分が将来稼げなくなったときに自分を養ってもらえることにも繋がります。  子どもへの投資は、自分への投資でもあるのです。しかも、子どもに対する投資なら回収期間はどんな投資よりも長くなります。  少子化が進んでいるものの教育業界の市場が未だに減速していないのは、親が子供にかけるお金の額が上がっていることを物語っているの

 

みんなが買っているものを後追いする。一点買いをする。損切りのタイミングを逸する。典型的な投資初心者の失敗パターン

 

ローンを後ろ向きに考えるのは利息がかかるからですが、借り入れたお金で利息を上回る収益が挙げられるなら、ローンは「敵」から「味方」に変わり

 

無責任なことはいいたくありませんが、やはりお金を本気で増やしたいなら資金が乏しいうちだろうと、資金が積み上がってきた後だろうと、ローンなり担保なりを使って、リスクの許容範囲で「背伸び」をうまく使い、キャッシュがキャッシュを生む状況をいち早く作り出すことが重要だと思い

 

相場は心理戦です。  とくに株価が暴落しているときに動くのは相当な勇気がいります。ただでさえ保有している資産が目減りしているときに買い増しをするのは、自傷行為のように感じてしまうのもうなずけます。  しかし、商売の鉄則は安いときに買って高いときに売ること。  株価が暴落しているのであれば、むしろチャンスのはず

 

または裏技的にFXを使う手もあります。  一般的にFXは高いレバレッジをかけた勝負師たちが使うツールだと思われがちですが、FXのレバレッジを「1倍」にしてしまえば、お金を預けていることと同じになります。しかも、外貨MMFよりも更に手数料が安いのです。  しかも、いくつかのFX会社ではそれを外貨として引き出すことができるため、非常に割安な交換レートで外貨に両替することもできるの

 

資産運用は9連勝していても、1つの大敗ですべてが台無しになることがしばしば起こります。資産が少ないうちはハイリスクを負う必要がありますが、資産が増えた大富豪はわざわざ大勝負に出る必要はありません。  むしろ「どれだけ確実に増えるのか」という基準で、コツコツと 10 連勝、 20 連勝をしていく。  これが大富豪による投資の特徴

 

正しい負け方を端的に表すものとして、投資の世界に 10%ルールと呼ばれるものがあります。  ご存じではない方のために説明すると「何事も 10%までの負けであれば、その後の挽回がしやすい」という法則

 

金持ちの人のなかにはペイオフ(1000万円を上限とした保護)を気にして、やたらと複数の銀行口座を開く人もいます。  気持ちはわからなくもないですが、ちょっと乱暴な言い方をすれば、メガバンクが潰れるときは日本ごと潰れるときです。そのリスクを回避したいなら海外に資産の一部を移しておくことの方がはるかに賢明

 

それには理由があって、銀行は取引を重ねるごとに融資などの条件がよくなる実績重視の世界だからです。また、預け入れ資産が一定額を超えた顧客はプライベートバンクに案内され、ハイレベルな専用担当者やチームが用意され

 

どのみちお金の出し入れがあるなら、複数の銀行でパラパラと行うより、1、2行に絞ったほうが得なの

 

保有資産が増えてくると放っておいても銀行の営業マンが集まってくるようになります。選び放題の身になるわけですから、そのときに各担当者同士で条件面でコンペを行えば、自ずといい条件が引き出せることもあり

 

最後にひとつ付け足すとすれば地方銀行の存在です。  基本的に横並びの傾向が強いメガバンクと違って、地方銀行はときにびっくりするような安い手数料や融資条件を出してくれることがあり

 

毎月2万円の保険料だとすれば 40 年間で約1000万円。なかには2000万円近く支払って

 

世帯もあります。保険は家についで人生に2番目に高い買い物と言われる所以

 

しかし、賢い人は若いときから先手を打っています。  それが「暦年贈与」の活用です。  暦年贈与とは、毎年110万円以内であれば人からお金をもらっても課税されない税制上の優遇措置

 

貰い手側に課税される話ですので、財産を分け与える側としては毎年何人にあげようと制限はありません(もし貰い手が複数人から合計110万を超える贈与を受けた場合は課税されます)。  しかも、この制度は誰が誰に贈与しようと扱いは同じなので、法定相続人には含まれない身内(お孫さんや兄弟など)にも生前贈与ができるのがミソ

 

ただ、年間110万円では億単位の資産を持っている大富豪からすれば物足りません。仮に

 

4人に対して 20 年間、毎年110万ずつ贈与しても、8800万円ですからね。  そのような人は、課税されることを承知で暦年贈与を行います。  贈与税の税率は以下の通りです。  贈与税はうまく使えば相続税より税率が低いの

 

当然、暦年贈与を長く行い、贈与する対象も増やせば、それだけ税制上有利です。そのため 20 代、 30 代でビジネスを成功させた経営者は、お子さんが生まれたらすぐに銀行口座を作って暦年贈与をはじめる方が大勢い

 

国税庁が定めた各土地の平米単価のことで、実際の市場価格よりも安く設定されています。市場価格の約7掛け程度です。  もし1億円で土地を買うと路線価は7000万円。相続税はこの7掛けされた路線価にかかります。つまり1億円の現金を土地に変えるだけで、資産を3割圧縮できるのです。  資産家が晩年に土地を買い漁る大きな理由はここ

 

 ③ 貸し出すことでさらに資産を圧縮できる  実勢価格と評価額の差額をさらに広げたいのであれば、物件を貸し出してしまうことが一番簡単です。他人が住んでいる物件は売りたいと思っても入居者の同意が必要な分、流動性が低くなるため、相続税評価額はさらに下がることになるからです。  1億円で物件を買ったとしてそれを貸し出すと、評価額は半分以下になることもあります。富裕層がマンション経営やアパート経営をよくしているのは、こういった資産圧縮効果もひとつの理由

 

資産管理会社の目的はずばり、税金対策です。  名目上は「不動産投資や株式投資などの管理を行う会社」となっていますが、個人として資産を保有するより法人が所有する形にしてしまったほうが税制上のメリットが大きいため、わざわざ資産管理会社を立ち上げるの

 

家族を役員ではなく従業員として雇って所得分散をしている中小企業経営者が大勢いますが、勤務実態と報酬額が不釣り合いだと税務署から指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。 「実務能力がない人間を役員にするのはどうなのか」という声も聞こえてきそうですが、もし資産管理会社が乗っ取られたら家族の資産ごと取られます。それを防ぐために役員に血族を据える判断は至極真っ当でしょう。  それに家族に役員報酬の形で収入を分配しておくことで、生前贈与の効果もあります。報酬はキャッシュですので、相続税を払うときに残された家族が資産の現金化に奔走する心配もなくなり

 

 ・法人ごと継承することによる相続対策  個人で保有する不動産を相続する場合は、その不動産の価値によって相続税が決まります。  一方で法人ごと相続する場合、その会社の株式価値を元に相続税を算出します。そして、その評価基準は「類似業種比準方式」と「純資産価格方式」の2種類があります(厳密には3つで、「配当還元方式」も存在しますが、あまり使われることはないため省略します)。  かなりの専門知識を要するので詳しくは解説しませんが、あえて簡単に言えば、前者は企業の純利益を中心に決める方式で、後者はその会社が保有する純資産をもとに算出する方式です。  不動産しか持っていないような法人の場合は後者が適応されてしまい、税金を考えるとむしろ不利になりますが、税理士のアドバイスをもとに資産の割合を調整すれば前者が適応され、さまざまな手段で資産を圧縮して、実際の不動産価値よりも安い評価額で法人ごと資産を継承することもできるの

 

これらの手法は非常に複雑なので、専門家の助言なしではできません。必ず税理士資格を持っ

 

プロの判断を仰ぐようにして

 

アメリカで築 22 年以上の木造住宅を1億円で買えば、毎年2000万円(1億円のうち、建物の評価額が占める 80%を4年で割った額)も減価償却できます。これだけの規模の減価償却が取れる投資対象は滅多にありませ