283.勝つまでやめるな! 和田 史久

たくさん肉を食べるべき、年上と仲良くなる、人間関係修復に労力使わず、って話が印象的だった。


では勝つために、どうしたらいいのか──。  勝つまでやめなきゃいいんです。  負けつづけても、最後に勝てばいいんです。  勝つまでやめなきゃ、嫌でも勝てるんです。

 

バカラの勝敗にはバイオリズムのような波があり、「負け」が続けば必ず「勝ち」が来ます。低迷している間はセコいと言われようが最低額の賭け金をチビチビ賭けて、なんとか元手を持たせて「今や!」というときに大金を賭けてゴールするのが僕のやり方です。  四〜五日ずっと負けつづけていたのに、たったの数時間ですべて取り戻した、なんてことが何度もあり

 

カジノで、そして人生で勝利するコツは、ただ一つ。  それは、 勝つまでやめないこと。  これが二〇年間カジノに通い、酸いも甘いも知り尽くした僕が、胸を張って言える〝必勝法則〟 です。


勝つまでやめるな──。  運は誰かが与えてくれるものではなく、自分で引き寄せるものだと知ったとき、勝利の女神はきっとみなさんにほほえんでくれることでしょ

 

日本でカジノ法案が出ると、決まって「そんなものができると治安が悪くなる」と言われますが、むしろカジノができると治安はよくなるんです。デンジャラスなアメリカで、夜ひとりで出歩けるのはラスベガスだけです。シンガポールもそう、韓国もそう。大金が集まることで、逆に街のセキュリティが厳しくなるから

 

どんなものでもかまいません。好きなものが一つくらいはあるでしょ?  あるんだったらそれをずっと続ければいいんです。カジノなんて人に言ってもいいイメージを持たれません。でも、そんなカジノ通いを二〇年以上も続けているからこそ、今の僕はあるんです。  あなたには徹夜するくらい好きなものはありますか?  あるんだったら、それをずっと続けてみてください。絶対に勝てますから。

 

思い込みとは怖いもんで、「ダメだ、ダメだ」とグズグズしてるとホントにダメで、「あああ〜、やっぱりダメだ」となります。逆に「イケる、イケる!」と思っていると、根拠はないけれど自信がわいて表情が明るくなり、なぜか運にも恵まれる。  ポジティブシンキングなんてそんなもんです、要は気持ちなんだから。そういう気持ちの効果が如実に表れるのがカジノなんです。  運は自分で引いてくるものです。  まずは「イケるで〜」と信じることが大事なんです。  ちなみにカードを絞るのは全世界共通で、英語圏なら「スクイーズ」。マカオでプレイしていると、各テーブルから「モーピン(ノーサイド)」「リャンピン(ツーサイド)」などと声が

 

勝負は最後の最後までわからないのです。 仕事だって同じようなもんで、粘りつづけた先に成功が待っているもの。  僕が今までに出会った経営者の方々だって、順風満帆に会社を大きくされた人はいません。 雨

 

も風の日も、嵐の日もあったでしょうが、みなさん途中で投げ出さずに粘ったからこそ今が

 

たとえば一〇〇〇円の賭け金で一〇回負けても、二万円で一回勝てばプラスです。じつは 強いギャンブラーほど、この賭け金の上げ下げのタイミングが絶妙で「勝ち」に持っていくのが

 

序盤は負けてばかりでも、そこそこ続けていれば運気が上がるというのをわかっているから、焦らず長くプレイできるし、勝つまで続けられるん

 

賭けずに勝ちたいというのは、いくらなんでも無理な話です。気持ちはわかりますよ。そりゃあ誰だってノーリスクでハイリターンがほしい。でもね、 なにかを得ようと思ったら、身銭を切ったり、時間をかけたり……そうやってなにかを〝賭け〟なきゃいけないんですよ。  そうやって、なにかを賭けた先に、今までとは違う世界が待ってるん

 

あの日、あのとき、勘違いとはいえ、元手の二〜三割というとんでもない額のチップを賭けていなければ、僕だってハイローラーにはなれていなかったかもしれません。そしたら、今ごろなにをしていたんでしょう

 

たとえばバカラではバンカーならバンカー、プレーヤーならプレーヤーが連続して勝つことを「ツラ」といい、信じられないでしょうが、一〇回や一五回のツラなどめずらしくもなんともない。  このツラが僕の勝ちパターンで、目が 揃いはじめると「来たで来たで、ツラ来たで〜。ここや〜! 勝負や〜!」と同じほうに賭けつづけます。  こういうときは迷わずツラに賭ければいいんです。同じでいいんです。ワンパターンでいいんです。揺るがず、騒がず、運を天に任せて流れに乗ればいいんです。ツイているときは流れに乗っ

 

行けるところまで行けばいいんです。  運が悪いときは「おれはツイていない」と嘆き、上向いてきたら「こんなにツイてていいのかな」と不安になる……、そんなやつに対しては「お前、どうしたいねん」と思い

 

にとってカジノはリフレッシュで、勝ちたいけれど 儲けたいとは思っていません。 賭け事はカジノだけで、日本にいるときはパチンコも競馬も競輪も一切しない。海外という適度な距離感がまたいいのかもしれませんね。韓国のカジノホストは「負けてなくなってもいい金、と割り切ってプレイしている人が強い」 と言い

 

だって、三〇万円を節約したからって七〇〇億円がどうにかなるわけじゃありません。 こういうときはジタバタしたって始まらない。出た目が悪いときほど、自分を変えてはいけないのです。  あのとき僕がビビって、「もうどうにもなりませんねん。家も売ってクルマも売って、スーパーの安い服着てしんみりしてます」なんて言っていたら、どうだったでしょう? 「あいつホンマにあかんらしいで。もう関わらんほうがいいで」  そう見放されて終わりだったでしょ

 

日々いらだちを感じながら、ズルズルつきあうくらいならさっぱり精算して、新しいコミュニケーションパートナーを探したほうがいい。 僕はマイナスを埋める努力をするより、プラスを積み上げる努力をしたいので、壊れた人間関係は修復しません。去る者も追いませ

 

必要な人とは会うし、必要でない人とは会わなくなる……そういう自然の流れを無視して、

 

になってつきあいを広げていても疲れるだけでいいことはない。ましてや仕事になどつながりませ

 

バカラは何万回とプレイしているうちに、本当に鼻がきくようになりました。 「やばい、このパターンはやばいな。ちょっとゆっくり賭けようか」 「そろそろいい波が来るで、来るで……来た!」  なんてことはしょっちゅうで、僕は未来が読めるのかと思うほどです。 直感は経験に裏打ちさ

 

もので、経験を積めば積むほど 冴えてき

今よりお金がほしいなら、今あるお金をどんどん

 

「金は天下のまわりもの」とはよくいったもので、 使うから入ってくる、入ってくるからまた使う。これが正しい循環です。  本当にそういうものなんですよ。だってお金がなくなったらまた一生懸命働くでしょう。僕なんかお金のおかげでさんざんいい思いをしているから、財布がさみしくなってしまったら、気持ちを入れ替えて稼ぎに励むわけです

 

だから、まずはお金を使ってうまいもんでも食ってみたらいいですよ。食えば勝つまでやめない体力もつくし、福分けにもなるし、一石二鳥

 

毎回、勝負に負けてしまうヒーローでいいですか?  勉強ができなくて、仕事ができなくて、おまけにモテない……なんや「のび太くん」みたいな主役でいいですか?  あなたに少しでも「そんなの嫌だ」という気持ちがあるのなら、今からでも遅くはありません。「いかんいかん、おれは主役だ」と、まずはそう念じてみてください。格好悪いことはできなくなります

 

今、仲よくさせていただいている、ある大学の先生は口癖のように「渡ってきた橋を燃やすな」と言われます。なんでもアメリカのことわざだそうで、築いた人間関係を壊すなという意味らしいです。  すでにお話ししたとおり、僕は意外に人間関係にはクールなところがあって、全面的に「そのとおり!」とは思いませんが、「運」は人が運んできてくれるものです。 とくにビジネスチャンス

 

そうです。  警察でお世話になった方とはその後もずっとおつきあいを続け、後年、警備会社を設立した際に顧問になっていただいたりと、さらにお世話になりました。それもこれも渡ってきた橋を燃やさなかったおかげ

 

ラスベガスでもシンガポールでも、ハイローラーの面々はめちゃめちゃ食います。連れて歩いているスタイル抜群のおそろしくきれいなお姉ちゃんだって、ガッツリ食います。 成功者には〝食が太い〟人が多いん

 

やはり食べる人のほうがエネルギッシュに仕事をするし、どんなことにも食らいつき、勝負しにいきます。そして勝つまで粘り抜く体力があります。  僕は仕事のパートナーを選ぶとき「食べる」という物差しをとても大事に考えていて、食の細い人と組むことはほとんどありません。信用できないとまで言いませんが、そういう人たちは最後の最後で踏ん張りがきかないと思うから

 

人間は身体も気持ちも食べたものでできています。文字どおり、血となり肉となるんです。コンビニ弁当ばかり食べている人は、コンビニ弁当のような身体と気持ちになるし、ファミリーレストランに頼っていれば手軽で中庸な味の人に

 

とりあえずお腹 がいっぱいになればいいや、という食事を繰り返していると「生きる勘」が鈍ります。逆に、「食」に対して前向きになると、自然と仕事も前向きになるんです。 だから、もしちょっと貯金ができたり、思いのほかボーナスが多かったりしたら、ぜひとも奮発してうまい

を食べて

「勝ちたかったら、肉を

でもね、僕は「栄養士の先生の言ったとおりになったなぁ。やっぱり肉食わなあかんな」と毎晩のように焼肉を食って、実際に勝負に勝ちつづけているんです

 

出会いはチャンスであって、 運気を上げたいなら人と会うことです。  人間ひとりではどうにもならないものなので、自分の能力を 活かしながら、足りない部分は人の力を借りて補っていくよりほかありません。 周囲に力のある人がいる、人脈があるというのは、スポーツの試合にたとえるならシードみたいなもので、無条件で一歩リードなん

 

たとえば不動産業など一〇〇万円の土地の仲介も、一〇〇億円の土地の仲介もやることは同じです。宅建資格を持って、土地を買って誰かに売るための書類をつくって役所に行って……それだけです。ところが、 一〇〇億円の取引を経験した人が一〇〇万円の仕事をできても、その逆は無理なんです。  作業はまったく一緒でも、できない。  資格はある、スキルもある。ただ一〇〇億円を扱う「器」がない。なぜなら、その額の大きさに足がすくんでしまうから

 

僕が、秘書に「カジノで 儲けた金は使ってしまえ」と言うのも、彼の「器」を大きくしないといけないからです。 金も人も仕事も使い慣れていないと、いざというときに足が

 

中身がないなら、せめて外見だけでも飾っておけ。  そういうことなんですね。  中身は一朝一夕にはつくれませんが、外見は多少貯金をおろせばなんとかなるでしょう。いいスーツを着るとまわりの見る目も変わるし、自然と背筋が伸びる。いい循環が始まります。 いい服は「福」を呼ぶん

 

たしかに優秀なんですよ。優秀なのですが二〇代、三〇代で世間のすべてを知ったような顔をしていたって、しょせんは机上の空論か新聞記事の受け売りで、圧倒的に経験不足というのが見え見え。社会には酸いも甘いも知り抜いた大先輩がたくさんおられるのですから、薄っぺらな化けの皮などすぐにはがれてしまい

 

人は楽しいことに寄ってきます。楽しそうな人のまわりに人は集まってくるんです。 だから、

にもぜひとも楽しんでもらいたいと思い

 

僕のような世代はまだまだ年功序列の意識が残っていて、「おじさんにも上手、若い子にも上手」な人がたくさんいます。一方で、ホリエモンをはじめIT企業に代表されるような、もう少し年下の経営者たちは成果主義にとらわれすぎて、人間関係の構築がヘタで損をしています。とくに年上のおじさんに対してヘタです。 「おっさんら、パソコンのキーボード一つ 叩けないくせに、でかい顔するな! おれらのほうが優秀や! お前ら古いんじゃ!」  そう豪語した結果があれです。彼はものすごい才能を持っていたにもかかわらず、あんな気性でいい先輩に恵まれず、よってたかってつぶされたでしょ。  キーボードが叩けなくてもホリエモンのひとりやふたり、刑務所に放り込めるのが年長者の政治力なん

 

今では僕が若い子を育てる立場になりましたが、やはり〝バカな子〟がかわいい。というか、〝バカのフリができる子〟がかわいいです。 いくらなんでもホンマにおバカちゃんでは使いものになりません

 

反対にね。 「僕、○○大学出身で英語もしゃべれます。学生時代に経済の勉強をして、御社にはこれこれ、こういう部分が足りないと思います」  なんていう子に対しては、助けてあげたいという気持ちになりません。 「お前、賢いんやろ? だったら自分でやれよ。おれはお前よりアホやから、力になれることはない

 

そう言って終わりです。  だから、人からどう見られようと、人生バカになったほうが得だと思います

 

ハイローラーには自営業者、とくに僕のように一代で財をなした起業家が多いです。 これは僕

 

意見ではなく、知りあいのカジノホストらも口を 揃えて言うことなのでほぼ間違いないでしょ

 

起業家にはリスクに対する嗅覚があり、やばい状況からいち早く脱する逃げ足があり、危険を承知で勝負に挑む肝っ玉があるんでしょうね。つまり「危ない案件には乗らない嗅覚」と、「危なくても儲かりそうな仕事には食らいつく度胸」がある。 僕はこれも才能だと思ってい

 

「あいつは運がいい」のではなく、運がいいやつは抜け目がないのです。  僕から見たら、世の中にはボーっと見逃し三振ばかりしてるやつがまったく多いこと、多いこと。タイミングを見て、思いっきりバットを振らな、当たるものも当たりません