261.マルクスもケインズも触れなかった 嘘まみれ世界金融の「超」最大タブー お金はどう作られ、どうなくなっていくのか 安部 芳裕

もともとは借金としてお金というものが生まれるわけです。だから今、財政規模がどんどん大きくなると債務が大きくなり、赤字まみれでどうするんだということで「債務を削減しろ」という話になりますが、債務のないお金なんてありえないんです。今のお金は、基本的に全て債務からできているわけですから。

債務をなくすということは=世の中からお金をなくすということになってしまう。

借金がたくさんあるということは、同時に世の中に沢山お金があるということでもあるし、お金が世の中にたくさんあるということは、同時に借金もたくさんあるということなんです。

銀行は融資によって「無」からお金を創り出す。コレが信用創造というものなんです。全てのお金は実は借金から成り立っている。そして、誰かの資産は誰かの借金です。

お金のしくみがもたらす問題点はたくさんあるが、その1つが利子は実態のないお金で、銀行のお金というのは基本的には元本プラス利子をつけて返さなければなりません。

でも銀行が貸し出しているお金は実際に元本の分しか貸出していないので、利子の文がどこにもない。どこにもないけれども、数字上にはあることになっている。だから必ず返せないところが出てきます。

銀行に借りたお金を全部返そうと思ったら、また新たに銀行からお金を借りて返さなければいけないので、無限に借金をし続けなければならないという、銀行からの無限の借金ループに陥るというのが、今のお金の特徴なんです。

今、貧富の格差というのはどんどん広まっているが、利益はどこから生まれてくるのかというと、これは格差から生まれるものなんです。格差があればあるほど利益は得やすい。

地球よ言うのは有限の世界ですから無限の成長というのはありえないです。かつては経済が成長すれば皆が豊かになると思っていたのですが、実際は経済格差が拡大するのみであって、貧しいものが増えれば経済成長が自動的に止まってしまいます。

経済成長が止まると皆困るので、じゃあ今度戦争でもして一度壊してから作り直そうかという話になってくるわけで。だから、経済成長が止まると戦争が起こるんです。