188.死に至る病 キェルケゴール

人間の生き方を突き詰めて2つに分けた。

1つは感性的な生き方。これは官能的な生き方を求め、日常の表層的な部分だけで自分の人生すべてを閉めようとする刹那的な生き方。

この自分の外側にあるものに没頭する生き方は、常に外側からの刺激が必要になってくる。感性的な生き方は個人の主体性が薄れ自分自身をコントロールできなくなる。

安定もなく心も休まらない。人は常に自分の外側にあるものに流されるがままになる。

この絶望の感覚は自分をさらに刺激の中に埋没させることで無意識の中に押し込めることができる。

で誰でも普通に日常の生活が送れる。精神的に低いところへ流れながら。しかしこの感性的な生き方は自分自身に無責任になることが1番の問題。

人は自分の行動をすべて外からの影響に動かされているだけと考え、自分自身の責任を放り出してしまう。

 

2つ目は倫理的な生き方。自分自身に関わる全責任を引き受け、意識的な決断で世界と関わっている自分のあらゆる可能性の中から自分が正しいと思う自分を選ぶ。もちろん自分ひとりの力で。

 

人は孤独になる時自分との対話が始まり、自分の存在に迫ることになる。

 

本当の絶望というのは、まさに人間の本質、自分自身の自己を見失っちゃうこと。

死に至る病とは自己が自己である責任を放棄してしまう病であり絶望のこと。

自分が自分自身を選ぼうとしないこと。自分が望む自己であろうとしないこと。

 

人が自分の絶望から逃れられる唯一の方法は、精神のレベルの高い生活を送るしかない。

 逆に明るい話に感じた。人間の悩みは昔から同じだね。