皆さんもかつて疑問に感じたかもしれませんが、日本では消費税が3%かけられただけで100円のジュースが110円になり、5%課税されれば120円になりました。単純に完成した商品に対しての課税ならば、103円を経て105円になるだけのはずです。そうできなかったのは、それぞれの段階で消費税が課税されていたからなのです。これもまた、世界では例を見ない方法で
しかし、繰り返しますが、私たちは政治システムとして民主主義を採用しています。近代民主主義国家において、主権は国民にあります。つまり、国民が権力者たちをコントロールできるようになっているということです。 その最大のコントロール法が選挙であり、またコントロールするためのルールが憲法なのです。 さて、憲法とは、国民の権利を奪おうとする権力者たちの行動に制限をかけるため、国民が国家を規制する法だということが分かったかと思います。 ここまで来ると、私が「洗脳」と言った意味が明白なのではないでしょうか?
憲法は国民が国家をコントロールするためのものです。 その憲法に、なぜ国民を縛る義務が書かれなければならないのでしょうか? そもそも憲法において、国民の義務などというものはないのです。 自分で自分の権利を制限するはずがありません
つまり、特別会計は、国が行なう特定の事業や特定の資金を運用する等の目的で設けられたものであり、それ以外は一般会計でまかなう、というルールになっています
ということは、「国債の償還や利払いが苦しいから増税する」という論理は、お金を借りた人が貸した人に対して「おまえから借りた借金が返せないから金をよこせ」と言っているのと同じなのです。 これって、おかしくないですか。 足りないからお金を貸してほしいと国民に頼んでおいて、その国民に対して借りた金が返せないから税金をよこせとは、どういうことなのでしょう。いったいどういう思考をしたら、こんなことが言えるのでしょうか。 日本国民は国債と増税の二重取りというひどい目に遭っても、なぜかおとなしく唯々諾々と従っています。
さて、実は数年前、この埋蔵金にメスを入れようとした人物がいました。平成15年の国会答弁で、当時の塩川正十郎財務大臣による「母屋ではおかゆを食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる」という発言がそれです。塩川氏は一般会計を母屋、特別会計を離れにたとえたのです。 これをきっかけに「特別会計」の見直しがはかられ、当時に比べればかなり簡素化されたようですが(中身の詳細が明かされていないので、あくまでも表面上の話ですが)、それでも一般会計よりもはるかに多い金額が特別会計という別の財布に入っているのです
資本主義において企業の目的は収益の最大化です。 企業の所有者は株主ですが、株主の目的が収益の最大化である以上、社長がどんな側近を置こうが、収益が上がるのであればOKです。むしろ、収益を上げる側近をどんどん登用せよというかもしれません。 しかし、この論理と政治の論理は違います。 シャドウ・ガバメントを認めてしまうことは、民主主義を根底から否定しているのと同じことなのです。
あっても、選挙で選ばれていない人が国政に携わるべきではありません。 国民の幸せのために実現すべきすばらしい政策があるのなら、その政策を公約に掲げて選挙に出て、国民の信を問うべきなのです。 これは過去に選挙で選ばれた人でも、現職の国会議員でないのならば国政には関わってはいけませんということです。最近増えている新党などでは元官僚や元国会議員をブレーンとしている例も多いのですが、これらはすべてシャドウ・ガバメントの発想であり、やるべきではありません
それでも、歴代の国会議員の何人かは、特別会計にメスを入れようとして頑張りました。ところが、特別会計にメスを入れようとした形跡のある国会議員の何人かは、不審な死を遂げています。 最近ですと、中川昭一氏が記憶に新しいでしょう。 中川氏は財務大臣在職中、平成20年度の第2次補正予算や平成21年度予案において、財政投融資特別会計などの積立金を一般会計に繰り入れる方針を打ち出しました。 その後、全世界に放映されてしまったG7での酩酊会見がありましたが、それが2009(平成21)年2月、亡くなったのはこの年の10月です。 さらに、中川氏の酩酊会見のときに隣にいた篠原尚之財務官は、その後、IMFの副専務理事に就任しています。これはいったい、どういうことを意味するのでしょうか。 中川氏のお目付役としてそばにいたのに、日本の恥をさらすような酩酊会見を止められなかった篠原財務官は、日本の国益を損ねたとして、相当なおとがめを受けてもおかしくないはずです。ところが、そんな大失態を犯した直後に、大出世しているというのはなぜなのでしょうか。
それはともかく、中川氏が特別会計にメスを入れようとしていたことと、不審死(表向きは自殺とされています)を遂げていることはまぎれもない事実です。 ちなみに、中川氏の父親、中川一郎氏も国会議員在職中に不審な死を遂げています
また、特別会計を徹底的に調査し、塩川元財務大臣の発言にも影響を与えたとされる当時衆議院議員の石井紘基氏は、2002年10月に自宅駐車場で刺殺されました。右翼団体代表を名乗る男が警察に出頭して逮捕されましたが、不審な点が多く、別の犯人に暗殺されたという見方が未だに根強く残っています。
実際、当時石井氏は特別会計を調査していました。 しかも事件当日、その調査内容が入っていたとされる彼が抱えていたカバンが現場からなくなっていたと、親族の方から話を聞いたことがあります。 さらに1998年、当時の日興証券への利益要求疑惑によって自殺したとされる当時衆議院議員の新井将敬氏も、未だに他殺説がささやかれています。彼も特別会計の裏側を探っていたようです。 何やら陰謀論めいてきたと感じる読者もいるかもしれませんが、特別会計の中身を深く探って明らかにしようとした複数の国会議員が不審な死を遂げているというところまでは事実です。 日本の国家財政の闇の部分を明らかにしようとした途端、国会議員でも命が危なくなるのであれば、誰だってやりたくはありません。
民主主義は多数決の論理ですから、多数で行動することで正義を守ることができます。いや、それしか正義を守る方法はないかもしれません。命懸けになるでしょうが、命を懸ける価値のある行動です。 物騒な話題になってしまいましたが、世界がお金で動いている現代において国家財政、税金という問題は、こうした裏の世界ともリンクしているようです。 規模が400兆円近くという桁違いのレベルですから、その利権は日本の深い闇と十重二十重と絡まって、幾重にもつながっているのでしょう。
ものなのです。自然人が公共サービスを利用するからこそ必要なのであって、法人が税を払う根拠はどこにもありません。 こうして見ていくと、法人税というのは、実は払う根拠がありません。 法人は一般的な公共サービスを受け得ないからです。法人は義務教育を受けませんし、病院に入院することもなければ、生活保護も受けません。 ではなぜ企業は法人税を課されてしまうのでしょうか。 それはこれが「恒久財源」だからです。消費税もそうですが、法人税も、一度課税してしまえば、課税対象がなくならない限り半永久的に取り続けられるお金です。つまり官僚の手を煩わせることなく、自動的にお金が入るシステムなのです。官僚はこういった、自分に有利な徴税先を見逃すことは決してしませ
日本人に世界的な大金持ちがいないのは、あまりにきつい累進課税のせいだと言われています。 稼いでも稼いでも税金で持っていかれてしまうので、大金持ちになれないのです。 終戦直後に日本の現在の税制の基礎を作ったのは、アメリカ人のシャウプという人ですが、彼は税制面において、当時のアメリカの意向を日本に反
させました。日本人が大金持ちにならないようにすることは、その意向の一つだったのです(これについては後に詳述します)。 所得税には累進課税を導入し、やろうと思えばできたはずなのに法人税に累進課税を導入しなかったということは、「日本の法人(会社)が大金持ちになることは認めるが、日本人個人が大金持ちになることは許さない」という意思の表れです
日本人はちょっと違った考え方をする人が多いようです。まず、お金を儲けること自体をよくないことだと考える人が多いのです。でも、お金(あるいは別の富でもいいですが)がないと、隣にいる困っている人を助けられないはずです。 隣に飢えに苦しんでいる人がいたとしても、自分も飢えていたら助けられません。まず食糧をゲットして、それから分け与える話になるはずです。ですから、お金儲けは別に悪いことでもなんでもありません。
スタグフレーションとは、先ほども述べたとおり、インフレなのに景気の拡大が見られない状態、つまり物価は上昇しているのに給料はあがらないといった状態で
さて、ではこの90万円分のお金はどこから調達するべきでしょうか。 すでに市場に出回っているお金は、それまでに生み出された富の対価として発行されたもののはずです。つまり、これまでに誰かが掘り出した金塊の対価として発行されたものです。 その市場に新たに富が加わったのですから、もし市場にすでに出回っているお金で調達したのでは、金塊の量(富)のほうが通貨の量よりも多いデフレ状態になってしまいます。 ですから、新たな金塊を掘り出したとき=富が生まれたときには、その分だけお金を刷る必要があるのです。実際の経済では、GDPの伸び率の分だけ、新たにお金を刷る必要があるわけです。 経済が伸びている(世の中の富の量が増えている)にもかかわらず、市場にお金が不足している状態がデフレです。 逆に、90万円の富しか掘り出していないのに、200万円のお金を刷ってしまうとインフレになります。相対的に富の量よりもお金の量のほうが多くなってしまうからです。 さて、ここまで分かったところで、復興財源の話に戻りましょう。 復興のために建物を建てたり、道路を造ったり、設備を整えたりすることは、世の中に新たな富を創出することにほかなりません。
ということは、市場の富が増える状態になるのですから、お金の流通量も増やしてバランスを取らなければいけません。 このとき、すでに市場に流通しているお金でまかなってしまうと、お金の量よりも富の量のほうが多くなりますから(=富の量と比べてお金の流通量が足りていないので)、当然、デフレになります。新たに生み出される富の量が大きければ大きいほど、激しいデフレが起こることになります。 これを踏まえた上で、復興財源を税でまかなうとはどういうことでしょうか。 税とは国民が持っているお金ですから、税でまかなうということは、復興財源をすでに市場に流通しているお金から調達するということになります。 これでは確実にデフレが進み、復興規模が大きければ大きいほど、深刻デフレが起こることになります。復興支援は税で行なってはいけません。新たにお金を刷って、それを財源にしなければなりません
日本にもたとえば学習院大学が皇室御用達とか(最近はちょっと変わりつつあるようですが)、東京大学が官僚御用達といったことがありますが、アメリカの場合、その数も多く、影響力も強いのです(ちなみに、東京大学には公然の秘密としての「裏口枠」があると言われています。超上級官僚、大物政治家の関係者はその枠を使って入ることができるといいます。官僚養成学校として作られた東京帝国大学以来、あるいはさらにそれ以前からの伝統だそうです)
高額納税者だと分かれば、泥棒や強盗に狙われる確率も増えますし、怪しい儲け話を持ちかける人物も急に増え出すでしょうし、お金を貸してほしいなどと言って近づいてくる遠い親戚も現れるかもしれません。 いずれにしても、「自分はお金持ちだ」ということを世間に公表して、得することはほとんどありません。そうであるならば、人より多少お金を稼いでリスクを被るよりは、横並びでも良いと思ってしまう人も多いはずです。 こうした累進課税や長者番付などが典型的ですが、シャウプは日本人がお金持ちになるモチベーションを低くするシステムを構築していきました
このように、シャウプの作り上げた日本の税制とは、日本人をアメリカの工場労働者にし、アメリカに逆らうような財閥を二度と生み出させない仕組みになっているのです
実は、このようにして日本政府が吸い上げた税金がうまいことアメリカへと流れる仕組み(アメリカ国債を買わせて、償還させないなど)も同時に作り上げているのですが、当然、客観的な証拠はすっかり消されてしまっています。 私たち日本人は、そろそろシャウプの仕掛けた洗脳から脱するべきだと思うのですが、なかなか簡単にはいかないようです
「日本の国債のほうがアメリカ国債より格付けが下」などとは、借金を返してから言ってくださいという話です。 なぜ、債権国である日本の国債の格付けが低いのかというと、意図的に日本の国債の格を下げて、売れないようにしているからです。アメリカはアメリカ国債を買ってもらいたいので、ライバルとなりそうなものは意図的に売れないようにしているわけです。 日本の国家財政安定化後も、こうした各国の嫌がらせはあるかもしれませんが、プロの投資家なら本当のことが見えているはずなので、必ず安定した日本の国債を買いたいと思うはずです。
デリバティブというのはもともと将来のリスクに対するヘッジとして生まれたものです。先物取引が典型的ですが、将来の価格変動リスクを抑えるために、前もって、ある程度の売買を決めておくわけです
私たちは監視の目を逸らしてはなりません。 本書を読み終えたあなたは、国家は国民を搾取するものだということ、日本の税制は搾取しやすいように整えられているということを知ったはずです。 そして、国家は私たちにくらべてほんの少しだけ抽象度の高い煩悩を持っているからこそ、搾取が可能なのだということも知ったことでしょう。 だからこそ私たちは、国家を監視し、国家の煩悩よりさらに抽象度の高い煩悩でもって、国家に立ち向かわなければなりません。
「私のお金が搾取されるのが惜しい」という煩悩ではなく、たとえば「子どもの時代、孫の時代に彼らが国家に搾取される世界であってはならない」という視点を持って、誰もが国家の搾取に対抗しようという意識を持ってほしいと思います。 最後にもう一度言いましょう。あなたは国家の搾取から解放されることができるのです。あなたはもっと豊かになれるのです。決してあきらめず、現状のコンフォートゾーンの外に踏み出してください