127.日本人よ目を覚ませ 苫米地英人

わかりやすい利益誘導とはパチンコ業界における警察官僚の存在です


みなさんは、パチンコ業界のバックについているのはいまや暴力団ではなく警察官僚だということをご存じでしょうか。パチンコ関係の財団や法人は、ほぼすべてといっていいほど警察官僚が占めている天下り天国です。なぜそんなことができるのかといえば、彼らは実質上、法律を自分勝手に解釈できる権限を持っているからです


考えてもみてください。日本では賭博は禁止されていますが、パチンコは合法なのです。警察はパチンコをギャンブルとは認めず、代わりに景品交換所という換金システムを作って、そこだけを古物商扱いにしています。このようにギャンブルか否か、合法か違法かは警察の胸先三寸なのですから、やりたい放題です


昨年、相撲界が暴力団との交際を取り沙汰されて、揺れに揺れましたが、あの件を

 

や、ガバナンスの整備に関する独立委員会が組織されました。多くの人々はこれで相撲界がクリーンになると喜んでいたはずです。 しかし、残念なことに、あれは表面上の話で、特別調査委員会座長の伊藤滋氏は、早稲田大学教授ではありますが、同時に社会安全研究財団の理事長という肩書きも持っているのです。社会安全研究財団とはどういう団体かといえば、大手パチンコメーカーの代表取締役と、警察官僚たちがずらりと名前を連ねる、どこからどう見てもパチンコ利権の天下り先なのです。また、ガバナンスの整備に関する独立委員会を組織した、村山弘義氏は元東京高検検事長で、いわゆるヤメ検ですが、暴力団フロント企業ともいわれたリキッド・オーディオ・ジャパンの元役員でもあるのです。この2人がいま、日本相撲協会の副理事長(=村山氏、非常勤理事も兼任)と非常勤理事(=伊藤氏)なのです。 これが相撲界浄化の実態です。警察官僚たちは新たな天下り先の開拓に成功したわけです。相撲協会にはNHKから毎場所ごとに放送料として五億円が支払われるといわれていますから、目下のところは、この辺りが狙いどころなのかもしれません。 このように、日本では法律の番人であるはずの警察官僚までが率先して、法の裏をかこうとしています。 もっとも、こんな話は日本だけではなく、世界各国どこに行ってもあるでしょう。実際、私が元大統領と組んで、いま警察浄化に関わっているメキシコでは警察官と麻薬組織が結託し、多くの拉致殺害事件を起こしています。大企業の社長の子供を誘拐し、身代金を取って、子供を殺すという事件を警察官がやっているというありさまです。 警察官僚の話はわかりやすい事例だから出しましたが、官僚たちはすべて基本的には同じことをしています。法を自分勝手に解釈し、税金を私的に使っているのです。 昨年の民主党政権はこれを打破するために誕生したものでした。しかし、菅政権になってからは、逆に官僚機構を維持する流れに傾いています。消費税の税率アップと法人税減税は、特別会計を温存し、大企業が有利になる政策です。 この流れを断ち切れるか、どうかが、日本の未来を大きく左右します。

 

こういった陰謀論的な話をすると、どうしても話が胡散臭くなってしまいますのであまり書きたくはないのですが、しかし、点と点をつなぐ線は確かにあるのです。そうでなければ世界銀行がなぜスエズといった私企業と手を組むのか、理由がわかりません。FRBの株がヨーロッパの銀行によって押さえられているなどということは普通だったら考えられないでしょう。こういうパワーバランスの中においてはアメリカでさえも彼らにとっては一つの駒なのかもしれないということです。 私たちはそういう世界に生きているのです。世界銀行IMF、UN(国際連合)、BIS(国際決済銀行)、IOC(国際オリンピック協会)等々。私たち日本人は、世界的な組織が公平な組織かなにかだと勘違いしているようですが、彼らこそ最も信用してはいけないのです。外資系企業も彼らの参加のものがたくさんあります。私たちはただちに外国かぶれグセを直していかなければいけません。


なぜ私企業が地下水を汲み上げることができるのかといえば、日本では土地の所有者になれば、その地下水を自分のものにできるからです。これについては昨年十一月


地下水は私企業のものなのです。しかも、地下水は無限ではありません。一日何百トンもの水を汲み上げていたらやがては涸れてしまいます。水の涸れたツケは一体誰が支払うのでしょうか


それでなくとも、ドル安のいま、米国債の価値はかなり目減りしており、四百兆円といわれる日本の米国債保有高は、単純計算で一ドル百円が八十円のドル安になった場合で八十兆円が消えてしまうのです。日本の年間税収が四十兆円ほどですから、ドル安がどれほど恐ろしいかがわかるでしょう。しかも、この先、米国債の価値はたぶん上がらないと予想されています。


これは『洗脳支配』でも書きましたが、その昔、宮沢喜一元首相が米国債を売りたいとアメリカに打診したところ、アメリカからこんな返事が返ってきたそうです。


米国債を売ったら宣戦布告とみなす」 日本がアメリカと戦争できるわけがありませんから、アメリカにいわれるまま、米国債を買い続けるしかないのです。ところが日本が救われないのは、米国債を買うことが本当の意味でアメリカを助けてもいないことです

 

日本政府が日本銀行から借金したとしても、実質上利息を払う必要はありません。自国の通貨を自国の中央銀行が印刷しているからです。ところが、アメリカは違います。FRBはドルの発行権を持っている民間銀行ですから、アメリカ政府は借りた金の利息はきちんと払わなければいけません。つまり、日本が買わされたアメリカ国債は、アメリカ経済やアメリカ国民の助けにすらならず、最終的にはごく一部の民間銀行を潤していることになるのです。そして、このごく一部の民間銀行の実質オーナーが個人銀行主というわけです。実際、シティバンクの持ち主はロックフェラー家ですし、JPモルガンはロスチャイルド家です。第二章で触れたヨーロッパの王族たちは彼ら銀行家たちを使って、密かに繁栄しているのです。彼らによって、アメリカも日本も、そして世界も動かされているのは前述した通りです


をそこまで大げさにしないまでも、少なくともFRBは民間銀行です。私たちは民間銀行のために働かされているに等しい状況なのです。


例えば、それは金利ひとつとっても考え方の相違が出てきます。いま、中国経済はインフレになっています。これを抑えるには、金利を上げるのが一番簡単な方法です。金利が上がれば、利息が付く分、現金を引き出すよりは銀行口座に入れておくほうがいいとみな考えるわけで、市場から現金が消えていきます。そうすると、そもそもお金がないわけですから、モノの値段は下げざるを得なくなって、インフレは抑制できます。とても単純な話で


なにしろ、彼らは一度、わずか二十分ほどで貿易赤字を解消したことがあるからです。 一九八五年、アメリカで開催されたG5(先進五カ国蔵相・中央銀行総裁会議)で為替レート安定化に関する重要な合意がなされました。その内容は各国の協調介入によって為替を円高ドル安に誘導するものだったのです。結果、アメリカは対日赤字がぐんと目減りして一息つけた一方、日本はいまに続く長期不況に突入したのです。


れがプラザ合意です。この会議は各国への根回しもあって、二十分ほどで終わっています


円高によって日本の輸出産業が打撃を受けるという話はよく耳にしますが、自動車産業の輸出は伸びています。ホンダもトヨタも日産も業績は悪化していません。ホンダなどは「業績改善に伴い、ブランドを牽引するスポーツ車が不可欠」と判断して、昨年十二月、生産中止していたスポーツ車NSX(ハイブリッドモデル)の投入を検討していると発表したほどです。ハイブリッドとはいえ、スポーツカーの再投入ですから景気のいい話です。 教科書には日本は加工貿易の国と書いてありますが、加工するには原料が必要です。輸出以前に日本は輸入の国なのですから、この場合、円高は有利に働いて、かなりのコストカットを実現しているはずです。たぶん輸出産業の多くはかなり内部留保しているのではないでしょうか。結局、企業のトップだけが儲けて、末端の社員たちは円高不況という言葉に騙されて生活が苦しくても仕方ないと思ってしまうのです。 私たちはこうやってマスコミの言葉に騙されていくのです


いまだに反米的な活動をすると、東京地検特捜部が動くといわれているほどです。中国寄りの小沢氏の政治姿勢は地検特捜部、ひいてはアメリカ政府にとって好ましいものとは感じられるはずがありませんから、それゆえ、あれほどしつこく検察に狙われているのです


ところで、検察、マスコミ、官僚が一体となって、小沢氏を追い詰める理由がなんだかおわかりになりますか。私の本の読者なら、もう察しがついていると思いますが、それは彼らが、あるひとつの利益を共有する、共同体のようなものだからです。 その利益とは国民の貯金(郵便貯金)と年金、そして税金です。これらは本来すべて国民のもので、他人が勝手に使っていいお金ではありません。ところが、官僚たちはその金を自分のものだと思っており、なんとかして、国民の目の届かないところで使いたいのです。それが天下り法人です。官僚たちは退官したあとはそこの役員になって役員報酬を貰い、しばらくしたら退職金を貰ってやめて、別の法人へと移っていき、そこでも役員報酬と退職金を貰うということを繰り返すのです。その原資となるのが、私たちが払った税金であり、年金であり、貯金ということです。しかし、小沢氏が唱える脱官僚政治になれば、そんなことはもうできなくなります。だから官僚たちも必死になって小沢氏の失脚を狙っているのです。 では、マスコミはなぜ、官僚たちに荷担するのかというと、もともとマスコミは権力の手先となりやすい性質だからです。私たちはマスコミが権力の監視役として機能していると思っていますし、マスコミ自身もそう宣伝していますが、実際はその逆であることのほうが多いのです。例えば、戦前の朝日新聞などは戦争反対どころか、戦争礼賛の記事を書いて国民たちを戦争へと導いていきました。また、戦中は大本営発表をそのまま書いて、国民を騙し続けたのです


この盆暮れの五百万円というのは簡単に言えば、時の政権からマスコミに贈られる賄賂のようなもので、その原資は官房機密費だったと氏は明かしています。さらに、同記事では、“野中氏は自民党政権時代に歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた”(同紙)。 その後、政治評論家の三宅久之氏が官房機密費を貰っていたことをテレビで告白するものの、多くの著名な評論家はこの問題に触れてもいません。しかし、野中氏の発言と、三宅氏の告白で、これは真実であることがわかりました。つまり、現在のマスコミとは、権力者におもねる人たちの集団であるということです。もしかしたら、いままでのマスコミの中には、権力と戦ってきた人たちもいたかもしれません。しかし、いま現在、テレビで活躍している政治評論家、ニュースキャスター、政治的な発言をするお笑いタレントといった人たちは、権力者におもねる人たちだということは間違いありません。それは、野中氏と三宅氏の発言によって証明されたことだからです


私たちは、テレビや四大新聞、主要な週刊誌が伝える“ニュース”の中に、権力者の意向が混入されているなどとは思いもしません。しかし、実際はそんなニュースばかりがいまこの瞬間も流されているのです。私はこれまでテレビは洗脳のための道具でしかないということを何度も繰り返し警告してきました。しかし、多くの人々は


「でも、私は簡単には騙されたりしませんよ」と思ってしまうのです。それこそがテレビメディアの思うツボなのです。 例えば、とてもわかりやすい例を出


テレビ局は、完全にマスコミとしての機能を無くしています。 だからこそ逆に怖いのです。自分たちが何者だったかを忘れていながら、メディアとしての強大な力はいまだ持っているからです。しかも、彼らは自分たちのしていることが間違っているとは思っておらず、正しいとさえ思っているのです。困ったことに本気で信じていれば、裏付けなどなくても、その言葉には説得力が出ます。視聴者は「テレビがここまで言っているのなら本当のことかもしれない」と思って見てしまうのです。


しかし、そのニュースは自分で調べたものではないのです。誰かがいったことの又聞きを、その気になってしゃべっているだけなのです。 これがいまのマスコミの、テレビの真実です。


なぜこんなことが許されるのかと言えば、日本が抵抗しないからです。それどころか、日本の政治家は積極的にアメリカの一部の富裕層のために日本人の金を差しだすことまでします。小泉政権が行った郵政民営化とは、郵便貯金の三百兆円で、米国債を買えるようにするためのカラクリだったのです。亀井氏が「郵貯の三百兆円は渡さない」と発言したのは、そういう意味だったのです。 小泉純一郎元首相のように積極的に日本を売るよう


もうひとつ、日本の破産で最も警戒しなくてはいけないのはIMF世界銀行の介入です。彼らについては第二章の水メジャーのところでも触れていますが、基本的にはハゲタカファンドと大して変わりありません。日本人は、国際通貨基金だとか、世界銀行などというと、正義の使者が苦境を救いに来てくれたとすぐに思ってしまいますが、大きな間違いです。彼らは国際救助隊サンダーバードではありません。彼らはヨーロッパの主だった銀行家たちによって作られた営利企業なのです。IMF世界銀行のやり方は、公営事業の民営化と外資の導入、規制緩和、金融市場化といったところで、実体経済を徹底的に壊すものです。貧乏ならば水を飲むな、株価操作をすれば金なんか働かなくても湧いてでてくる、というのが、彼らの考え方です。ボリビア政府が「水を止めたら死人が出る」と言っているのに、「いや、水


その証拠に、韓国の国家破産のその後を見てください。韓国の場合はIMFが介入しましたが、その結果、サムスン、現代、そして韓国の大手銀行の株は、ほとんど外資に握られてしまったのです。韓国の国家破産に本当はIMFなど必要ありませんでした。韓国は独力で経済復興できたはずなのです。あの破産は突然誰かが仕掛けたかのように株価が暴落し、一時的な対外債務不履行に陥っただけで、本質的な破産とはまるで違っています。IMFのために、韓国はいま経済のおいしいところと、国民の貯金を海外に吸われているのです。日本はそうさせてはいけません。彼らを絶対に日本に入れてはいけないのです。日本の破産は国民が納得すれば片の付く話です。彼らがしゃしゃり出てくる幕などないのです。 日本国の破産管財人は日本の弁護士、会計士が集まってやればできるはずです。ここで揉めてIMFなどに助けを求めるのは国を売るに等しい行為です。日本人だけできちんとやれば日本国の再建は立派にできるでしょう。 このように、日本の破産は皆さんが想像しているようなものではありません。きちんとやればデメリットは少ないのです。その代わり、メリットはとてつもなくデカいのです。なぜなら、これまで不透明極まりなかった国の会計をつまびらかにすることができるからです。

 

ですので、いまここで皆さんに理解してほしいのは、国家破産は怖くないということだけでいいのです。そして、注意すべきは一部の外資とマスコミです。この二つはセットになって私たちの生活を脅かそうとしてきます。不安を煽ることで、私たちをある方向に導こうとするのです。私たちは、これに最も気を付けなければいけないのです。

 

人間は本来我慢などしてはいけないのです。努力に努力を重ねてなにかを得るという行為は、本質的にはゴールに向かっていく楽しみがありますから我慢とは言いません。ただただ忍耐を強いられているだけ、これが我慢です。いま、私たちはただただ
忍耐しろと言われているのです

 

日本にはいま在宅ロビイストと呼ばれる人たちがいます。彼らはなにをしているのかといえば、日々世界各国の首脳や大臣、閣僚たちにメールを送ることで国際世論を喚起しているのです。たとえば、加藤健氏という在宅ロビイスト金正日ルクセンブルクシンガポールなどに隠し持っているであろう秘密口座を凍結するべく、ルクセンブルクらの政府関係者はもちろんEU各国の閣僚たちに働きかけているのです。


のもとには前向きに検討する、閣議にかけるといった返信メールが次々と寄せられたほか、イギリス貴族院議会では北朝鮮マネーロンダリング問題の質疑が行われ、ラトビアでも秘密口座の捜査が開始されました。また、昨年は外国人記者クラブに呼ばれて会見もしています。 たかがメールですが、真摯に粘り強く行えば世界は動くのです。 私たち日本人の最大の洗脳は、「どうせ変わらない」という思い込みです


このままでは世界の国々は日本と話す必要はないとますます感じるでしょう。そんなヒマがあったらアメリカと話したほうが話は早い、と。 THE BIG FAT LOSER 日本はまたしても醜く太った姿を世界にさらしてしまったのかもしれないのです


アメリカのロビイストの判断に盲目的にどこまでもついていく、というのは独立国のビジョンとはとてもいえませんし、それはアメリカ国民にとっても本当に望ましいことではないはずです。いまのアメリカの赤字を日本の円が補填してあげても、アメリカの国民は少しも救われてはいません。一部のマネーゲームをしている人たちだけが、得をする格差社会が続くだけです。 中国のことわざに「飢えた者を救いたければ魚を渡しなさい、飢えから救いたければ竿を渡して釣りを教えなさい」というものがあります。日本はいまアメリカに魚をせっせと渡しています。しかし、これを続けていれば、いつの日か、日本の手持ちの魚も切れてしまうでしょう。そうなったら日本もアメリカも飢えをしのぐことができなくなってしまうのです。 アメリカという国はもう随分前に製造業を捨ててしまったのです。製造業こそ、国にとっての竿だったのに、製造工場を国外に移し、優秀な技術者もノウハウも手放してしまったのです。モノを作って売る。この当たり前の経済活動を捨てて、金融工学にうつつを抜かしてしまったのです。金融工学など、ただのギャンブルにしかすぎません。それはいまのアメリカの状況を見ればわかるでしょう。金融市場が活気づいても、雇用が一向に活気づかないのは、そこに中身がないからです。そして、日本のマネーはこの実体のないアメリカの金融経済を延命させているのです。日本人にとっも、アメリカ人にとっても、得しないことはもう終わりにしましょう。 私たちは言わなければならないのです。「アメリカのいまのやり方は間違っています」と。「本当の意味での同盟国になりませんか」と。そのためにも日本は明確なビジョンを持たなければいけないのです。 本書は私たち一人ひとりが明確な意思を持つために書いたものです。 日本国憲法や国際問題、マスコミの問題など、話題は多岐に渡っていますが、すべては、私たちが自分の意思を持ち、自分の権利と義務に気付くために書いたものです。


そのことを一人でも多くの日本人が気付き、よし日本を変えようと思っていただければ、望外の幸せです