279.日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ! (SB新書) 落合 陽一

終身雇用・年功序列は半世紀程度の歴史しかない

 

限界費用ゼロ化」がビジネスを変える

 

新しいテクノロジーが進展することで、労働環境は「AI(人工知能)+BI(ベーシックインカム)」的な働き方と、「AI + VC(ベンチャーキャピタル)」的な働き方に二分されることになると僕は考えています(*7)。

 

これからの働き方について考えるときに大きな指針になるのは「組織の論理にとらわれずに、コストを最小化し利潤が最大化されるよう、個人の判断で動き回るべし」という、経済学の基本に則った原則です。従来の、全員が同じ方向を向く仕事観とは真逆の考え方が、今後はあらゆる領域において適用されるようになると思います。

 

多様な働き方が当たり前になると、「ワーク」と「ライフ」を分けて「お金を得るため」に働くのではなく、「個々人の自己実現のために働く」ことが当たり前になっていくでしょう。自分にとって「働く」とは何か、改めて考え直すべきときがきてい

 

実は、日本全体での交通事故死者数自体は、この 30 年間で約 70%減少しまし

 

テストでよい点数を取ったり、駆けっこで1等賞になることに価値があると教え込むのが、高校生までの教育です。それに対して、画一的な価値観を意に介さず、評価基準を自分でつくり、自分で「美しい」と認めるものを追求するのがアカデミズムの世界です。それはもはや美学の領域であり、個人的な美学を追究している以上、他人にどう思われようが気にならない。これからの時代に求められるのは、こうしたアカデミズム的な人材です。

 

今後の社会保障費は、国民が負担できないほどに増えるわけではない。まずはそこから議論をスタートしましょ

 

つまり、2025年以降の 15 年間で増加する2~3ポイント程度の負担を、労働力の拡充やテクノロジーの配備でいかに担うか、ここさえ解決できれば、少なくとも現状維持は可能ということになり

 

2つ目の「コミュニティの形成」は、スポーツを介して他の人と交流することで、人と人とのつながりを生み出す効果です。地域や会社組織の

 

が、以前ほど機能していない今日において、スポーツの持つコミュニティ形成機能は非常に貴重であり有用

 

予防医療に詳しい石川善樹氏は、困ったときに頼れる人がいるという「つながり」の感覚が、幸福感と密接に関連していることを指摘しています。未婚率の上昇により単身世帯が増えるこれからの社会では、人間関係を媒介するスポーツの特性を、積極的に活用していくことが期待され

 

これまでの工業社会におけるホワイトカラーの労働スタイルは、極めて

 

民族的です。決められた給料のためにオフィスで働くのも、実をつけるまで農作物を育てるのも、将来得られる成果のためにひたすらタスクをこなしていく点で本質は変わりません。そのような働き方は、狩猟生活を起源に持ち、その性質を遺伝子レベルで引き継ぐ僕たち人間にとって大変ストレスフルです。歴史の中でも農耕と狩猟は両立してきましたし、これからの社会のあり方を考えるうえで、その両端を行き来することを考えることに価値があると思い