247.一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 cis

お金を扱う相場が特別なものとは思わない。でも本当に面白いゲームだ

 

思う。技術と偶然性とリスクとリターンの混ざり具合が最高のゲームだと思っている。僕の手法は主にデイトレードで、長期投資はほぼしていない。社会的観点からの投資はせず、純粋に勝負としてやってきた。  

 

どちらもあり得るからこそ用語になり、それぞれの手を打つ者がいるのだけれど、僕は基本は「順張り」だと話して

 

けれども今現在買われていることで上がっている、売られていることで下がっているというのは明確な事実としてそこにある。であればマーケット

 

目に沿って行動するのがいちばん勝つ可能性が高い。  

 

上がっている株を買う。下がっている株は買わない。  買った株が下がったら売る。  マーケットの潮目に逆らわずに買う。そして潮目の変わり目をいち早くキャッチ

 

この大原則に従うようにして今の資産を築くことができた。

 

きっちりとした確率のゲームであっても、こうした偏りが起こりうる。  

株はそもそも確率のゲームではないのだから、「バランスは取れないのが当然」と思っておいたほうがいい。  上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる。 「今は上がっているけど、いずれ反転するはず」という風に思いがちだけれど、そう考えるのは「いずれバランスが取れるはず」というイメージに当てはめようとしているだけのこと。 「永遠に上がり続ける株なんてないからいずれ下がるはず」と勝手に考え、いつ反転するかという予想を立てて

 

勝手な予想はしないで、上がっているうちは持っておくのが基本。  ずっと上がっていた株が少し下がったとき、それは一時的に下がっただけなのか? 反転したのか? それもわからない。利益を確定させようとして売る人がいれば、それだけで少し下がる。  僕の場合、あまり小さな動きは気にしないで、ある程度下がったときに売ることが多い。相場用語で、上がってきた株が一時的に下がることを「押し目」というけれど、僕は2度目の押し目で売ることが

 

押し目買いは、下がったところで買おうとするわけだから、逆張りの一種になる。  つまり、やってはいけない買い方のひとつ。  上がっているものを買い、下がったら売る。その基本に反していることになる。 「押し目待ちに押し目なし」という格言もある。  ぐんぐん上がっている株は、押し目を狙っていても、そのチャンスがなかなかこない。少し下がったところで買いたいと思っていると、上がり続けてしまう。この格言も、押し目買いが間違った方法論であることを示している。

 

「少し下がったところで買う」とか「割安なタイミングで買いたい」とか考えるのは、そもそも発想として間違っている。  上がっている株がまだまだ上がりそうであれば、そのタイミングで買うのが

 

だいぶ上がったあとに「買い時を逃してしまったのではないか?」と考えるのは、いずれバランスが取れるという発想にもとづく。  どこまで上がるかは誰にもわからない。 「遅すぎたかも?」などとは思わず、まだ上がっているならこれからも上がると考えて買えば

 

どこで反転するかは誰にもわからない。  そのタイミングや値段を予想するのは、勝手な予測を当てはめているだけ。   相場のことは相場に聞くしか

 

けれども、上昇局面での利確は勝つための方法としては間違っている。  下がって800円になったときにはすぐ売ってしまったほうがいいし、上がって1100円になったときには売らないほうがいい。

 

さきほど述べた「順張り」と発想は同じ。  たった今下がった株は、そこから反転して上昇するよりも、さらに下がることのほうが多い。また、たった今上がった株は、そこから反転して下がるよりも、さらに上昇を続ける可能性のほうが高い。正確にいえば、可能性が高いというより勝負の効率がいい。   重要なのは勝率ではなく、トータルの損益。そう考えられるかどうかが株で勝つための 鍵 と

 

1万円を得る喜びと失う悲しさを比較すれば、失う悲しさのほうがはるかに大きい。  その悲しさを避けたいから、多…
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けれど利確をすれば、そこでの勝ちは確定しても、トータルで見れば敗北に近づく。  せっかく上がっている株なのに売ってしまい、今日の勝利を確定することで、明日や明後日の勝利を捨ててしまうことになる。  目先の利確に走ってはいけない。  勝つためには、長い目で見…
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僕の場合、銘柄それぞれの勝敗を考えるなら、利益になる取引は3割くらいしかない。  残りのほとんどがトントンかちょい負け。けれども、時々負け額に対して 10 倍や 20 倍の金額を…
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になる。  勝率は低くても、下がったときにはすぐ損切りすることで、上がった銘柄のうちのいくつかは損失額の 10 倍、 20 倍の利益になっていく。  トレード効率からすると、こっちのほうが良い結果になりやすい。  小さな損を重ねながらも、たまに大きな得をしようという発想。これが逆になり、小さな得をいっぱいしていて、たまに大きな損…
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結論からいえば、ナンピンは最悪の買い方だと思っている。  場合によっては一撃で死亡してしまうから。  これまでにも言っているように、上がっているものを買い、上がっているあいだは持ち続け、下がったら売るのが大原則。ナンピンはその逆になっている。  上がると思って買った株が下がれば失敗だけれど、ここまではいい。よくあることで、どんな達人でもこれを避けることはできない。   まずいのは、自分の失敗、敗北を認められないこと。ナンピンは失敗しているにもかかわらずロットを増やす(= 賭け金を上げる) という点でも矛盾し

 

いる。  ここでやるべきなのは、失敗を認めて迅速に撤退すること。  つまり損切り。  なのに、失敗を認めず、粘り腰でなんとか逆転勝ちに持ち込めないかというのがナンピンの発想。これをやって逆転勝ちになることももちろんある。けれども傷が深くなる可能性のほうが

 

株でいちばん大切なのは迅速な損切り。  失敗から逃げてはダメで、失敗は当然としていかに最小にとどめるか。  それを考えても、ナンピンは逆…

 

1000円で買った株が900円とか800円になったとき、1000円に戻るのを待とうとして塩漬けになり、そのまま下がり続けて200円とか100円になって、爆死することもある。  小さな損はかまわない。というよりも避けられない。   重要なのは、損をしないことではなく、大きな損をしないこと。  大ケガだけはしないようにする、という方針で僕は今の資産を築いた。  僕の勝率を銘柄で見れば3割くらいだと言…

株に触れてきてもようやくそれぐらいといったところ。  そして2週間以上見据えたものだと3割くらいになる。長く持とうとして買った株でも、値動きがあやしくなると、すぐ損切りする。結果、長く持っているのはすごく上がっている銘柄だけになる。  損切りのラインなどに関して、数値的な基準は一切ない。値動…

 

買った株が下がり損切りしたとして、そのあと損切りをあざ笑うかのように上がりだしたとき、上昇株として買うことができるかどうか? ここも大きなポイントになる。  まず、損切りする…

 

だったと認めて撤退するわけだ。そのあとで自分が売った値段よりも高い値段で再び買おうというのは「損切りも間違っていた」と、二重に間違いを認めることになる。  そこに抵抗を感じてしまう人もいるのではないかと思う。  でも僕はそれを気にしない。いつも平気でやっている。  1回ごとの売買で勝ち負けを考えていないから抵抗がない。  買った株が下がったら売るし、上がっている株は買う。  もちろん手数料もその分かかるけれど、それが基本で、それを何回でも繰り返すしかない。  さすがに同…

 

ないと思って手を引く。けれど、それまでは気にせず続ける。局所的な勝敗を…

 

集中力や体力を考えれば、やめ時はあるが、勝てる勝負であるなら、やればやるほどプラスになる。やめ時を考えるのは、いずれバランスが取られていくだろうという発想からくる精神論に過ぎない。

 

阿佐田哲也 という作家がいて、麻雀小説をたくさん書いている。僕に年が近い人は漫画『哲也─雀聖と呼ばれた男─』のモデルになった人というとイメージができるかもしれない。  この人の小説やエッセイには、相撲を引き合いにして「良くて8勝7敗、どんなに良くても9勝6敗」という話がよく出てくる。勝負事に限らず、人生すべてがそうだという。  たとえば『新麻雀放浪記』という小説では、主人公の若者が麻雀で大勝したときにアパートが火事になり、その部屋にいた婚約者が大ケガをする。

 

人生はバランスが取れていくものなので圧倒的な勝ち越しはない、勝負でも仕事でも何かがうまくいったときはむしろ用心すべき、と阿佐田哲也は言っている。  人生論として聞けば、なるほどと 頷ける。  けれども勝負哲学としては意味がない。  バランス型の発想であるため、どちらかといえば有害ですらある。   株に関して何勝何敗と考えることにも意味はない。  問われるのは勝率ではなくトータルでどれだけの損得になっているかという絶対額だから。  人生論を否定する気はないけれど、勝負の中にこの 類 いの人生論を

 

て考えるのはやめておいたほうがいい。運や流れという発想はロジックを優先する思考の妨げになる。  相場は相場の法則に従うしか

 

損切りの早さでいえば、今の僕はトレーダーのなかでも上位に入ると思う。  

 

暴落と暴騰という両極があるけれど、人は喜びや期待より悲しみや恐怖のほうが大きい生き物らしく、暴落のほうがチャンスはずっと大きい。  株価がこのまま地の底まで落ちていくんじゃないか、と人々が恐怖を感じているときこそチャンスになる。  全体状況でいえば、ITバブルの崩壊、リーマンショックサブプライムローン問題、ギリシャショックなどが起きたとき。大きな災害が起きたときもそう。  こうしたときには群集心理として恐怖が発生するので、相場としてはチャンスとなる。

 

「元本保証でリターンがこんなに!」みたいな広告を見かけることもあるけれど、そんなことはあり得ない。感覚値だけれど、年に3%以上の利回りを保証するものは、巧妙にリスクが見えにくいスキームになっているか、詐欺かのどちらかだと思ったほうが

 

リスクヘッジは基本的に僕はやらない。  リターンを求めてリスクを取っているのに、そのリスクを分散させるためにコストを使うのではリターンを薄めるだけ。  ファンドマネージャーとして仕事で巨大な金額を運用している人は、マイナスの時期ができるとクビになってしまうので、成績を平均化させる必要があるかもしれない。  だけれど、個人トレーダーとしては、ヘッジしていては意味がない。  ピンチとチャンスは紙一重。  結果は受け入れるしか

 

考えられること、やれることは、いろいろある。まだ知らない攻略法が実際に眠っているのが相場という

 

2匹目のドジョウは、マーケットから学習して、儲かっているだろう事象をすぐやること。これでもそれなりに利益を上げることができる。  世間に広がりだしてからやるのは3匹目のドジョウ。これはもう、儲かるか損するかわからない。雑誌の『ZAi』や『SPA!』に載っていることなんかをやるのは、まさに3匹目のドジョウ。いや、4匹目かもしれない。   マスメディアに載ったネタを追いかけるのではスピードが遅すぎるし、多数の人が知っている知識で他人を出し抜けるはずがない。  そういうことは理解しておいたほうがいいと

 

たとえば、経済学の教科書には「金利が上がると株価は下がる」と書かれているものがある。金利が上がると、投資家にとっては債券へ投資する価値が上がり、株式の価値は下がる、というメカニズムに

 

で、実際にそうなのかといえば、利上げ時には株価もやたら上がったりする。経済理論とは真逆な結果が出ていることもあるから「この教科書は噓ばかりついているな」というようなことに

 

だから、本を読むと「金利が上がると株価は下がる」みたいに書かれているけれど、実際には株から債券への移行はスムーズにはいかない。  そんな現実に対する戦略としては「すぐ逃げられるような買い」がいい。大きなポジションは取らず、ちょっとあやしいと思ったら、すぐ売って現金化して

 

経験が増すほど、その時々の戦術の引き出しは増えているけれど、考え方はすごくシンプル。相場をやっている人なら全員が理解できると思う。  

 

じゃあ、なぜみんなが僕と同じようにできないかというと、たとえシンプルでも身銭を切ってやるのは難しいから。 大きく見れば売ったほうが良さそうに思えても、反発もあるかもしれないとか、いろいろ考えてしまう。  上がって高値がついたとき、僕は喜んで買う。  だけれど普通の人はまず買えない。今まででいちばん高いから、反動がくるのではないかと思ってしまう。たとえばリンゴがどんどん値上がりして1個400円なんて値がついていたら、普通は買いたくない。  でも、株はそういうものではない。   多くの人は「安く買って高く売る」という発想でいるから、高いときは買いたくないと思ってしまう。 その高いというのは何と比較して高いのかといったら、過去と比較しての話。下がっているときは、過去と比較して安い

 

お買い得だと思ってしまう。  たしかに明らかなバブルはあるけれども、適正な価格なんて本質的には存在しない。買った値段より高く売れれば 儲かるから。過去と比較して考えないほうが

 

この頃のやり方がダメだったのは、割安だという判断が主観に過ぎないのにそこに気づいていなかったこと。  もちろん財務分析をしてみた結果として割安かどうかを判断していたわけだけれど、そんなことはみんな知っていて、実際には株価というものはそれを踏まえたうえでの取引値段になっている。  企業の価値を株価が正しく反映していないと考えるよりも、株価こそが答えであり、世の中の総意として適正だとみなされている数字だと考えるほうが正しい。

 

信用される企業はさらに信用され、割安な株はさらに割安になる。そのほうが真実に近い。株式市場は、公平や平等という概念で動く場ではない。

 

割安だという決めつけで買っていれば負け続けるだけ。  それを痛感させられて、今のスタイルに至っている。 

 

勝ち始めたときは、年金やファンドの買いに乗っかり、いちばん買われているであろう小型株を買う方法に変えた。  これは今でもいい方法だと思っている。

 

日本、アメリカ、ヨーロッパの3つのマーケットのうち、時差の関係から月曜日に最初に市場が開くのは日本。   なので週末に世界的な事件が起きると、日本で最初に影響があらわれる。  イギリスのEU離脱決定、トランプの勝利など、欧米の政治的な事件があると、まず大きく売られる。そのとき日本では売られすぎる傾向がある。   僕の経験からいえば、こういうときは 90%は逆張りで買っていい。  トランプの大統領選勝利のように、「今後どうなってしまうんだ?」という状況のときこそ逆張り

 

逆パターンで、週末にアメリカに好材料が出て、ダウ先物が400くらい大きくプラスしているときに日経平均も爆上げしたら、空売りする。 だいたいすぐ

 

実際、インサイダー的なあやしい売買は観察すればかなり見つけることができる。  たとえばライブドアショックのときも、あとから思うと、かなり早くから売り逃げしている人たちはいっぱいいた。新興株がどんどん上がっているなかでライブドアだけ700円くらいで全然上がらなかったし、オカシイなと思っていたら、完全に国に狙われていた、みたいな。   今の時代は情報が漏れやすいから、あやしい売りか買いが出ているときは、これはインサイダーかもしれないと考えてみるのがいい。  悪い噂が広がって、これは買いたくないって思う人や、もう手放すしかないって思う人が何人かいたら、他の株と比べてあやしい値動きに

 

板に張りついていると、思っていたのとは全然違う側面や新しいことが見えてくる。  買うのは最低単位でいいから、買って見続けていると、学ぶものがすごく多いはず。  上がっている、下がっているという全体を統合した動きになる前に、その構成要素である売りと買いを個別に見ていくことで、わかってくることがある。 ◉「

 

前場で重要なのは多くの場合いちばん値が動く9時から9時 20 分くらいまでのあいだ。  それ以降の時間はマンガや雑誌を読んだり、他のことをしたりしながら、横目で少し眺めているくらいになる。後場(午後) はしないで出かけてしまう。週2、3回は投資家仲間で 麻雀 をして、その後 吞 みに

 

僕は基本的に長期投資はやらない。  明日の株価もわからないで悩んでいるのに、半年後とか1年後、さらには 10 年後の株価なんて予想できるわけがないと思っている

 

今売られている、あるいは今買われているということは板を見ていれば

 

ため、買い手にとっては優位性がある。 今ある優位性に張るのは、長期の展望よりは確実なことだと思っている。  

 

今は東京にビル2棟、マンション1棟、名古屋にビルの一部を持っている。  その結果わかったのは「やめておけばよかった」ということ。  ビルオーナーというと、うらやましがられるようなイメージがあるんだろうけれど、大間違いだった。全然儲からない。  僕が持っているビルは時価で 20 億~ 25 億円。そこから入ってくる家賃収入は、税引き後で3000万円もないくらい。1・5%にも満たない。  土地の値段は変わらないにしても、建物は経年劣化していく。テナントも思うとおりには入らない。  いずれ大規模修繕が必要になることまで考えると、利回りは1%も

 

加えてさまざまな書類を書くなど、大家としての義務がたくさん発生する。その上すぐに売れるものでもない。   ビルを買えるほどのお金があるなら、他のことをやったほうがラクだし、お金になると思う。 単純にアメリカ国債だって2~3%もらえる。   もうちょいテクニックを使うなら、 潰れる心配がなさそうなアメリカ企業の債券を分散して 10 個ほど買えばいい。 企業の既発債の平均が4%くらい。為替リスクを取りたくないなら年0・1~0・2%で完全ヘッジすることだって

 

  大げさではなく罰ゲームを受けているような気持ちに

 

相場をやっている限り、持っているお金の量が力になる。  投資家でうまくいっている人ほど、投資以外のお金の使い方は守備寄り。  1億円稼いだら600万円使っていい、くらいの感じ。  1000万円使ったら、使い過ぎに感じる。   タネ銭をなくしたら大きい勝負はできなくなり、大きな勝ち方もできなくなる。  僕自身は大きく勝てる勝負を見つけて、できる限り全財産に近い額をぶっこむのがいちばん効率がいいと思って

 

だから値動きの激しい銘柄を狙うし、そこで勝負できるお金を最も大事

して

 

今の僕の資産の内訳は、ずっと持ち続けている株が1%弱。金と

が2%。不動産が 10%。再保険商品が 10%。外貨建債券などが6%くらいあって、残り 70%ほどは現金。   だからキャッシュで160億円ぐらいある。で、勝負するときには、税金の引き落としとかの口座に入れている 10 億円をのぞいた150億円をトレードに使っている。  金とプラチナは、万一すべてを失ったときのための保険。   家族の生活分くらいは別にキープしておいたほうが、相場を思いっきりやれると思っていることが大きい。 といっても、もし東京に爆弾を落とされたりして他の資産がすべて吹っ飛んだりしたら、僕の体力では金とプラチナもすぐ奪われてしまうかもしれない。そうなれば保険としての意味はなくなるけれど。

 

みんな、1000万円でスタートして、2年間やった結果、一人だけ2400万円になり、あとはちょいプラスやちょいマイナス。数百万円のマイナスもいた。  勝った人間はストップ高でさらに買い増しなども行っていた。「上がり続けるものは上がる」けれど、実際やるとすれば非常に勇気がいる取引。  全体で見れば、およそ給料の分だけマイナスになった。   35 万円×5人× 24 か月だから4200万円だ。   今から振り返れば、講義したくらいではダメで、売買にはみんなの本能が出ていた。インセンティブもあるので、お金が絡むとその人の本能が勝ってしまう。  学校の

 

というか、あのマンガはあまり現実的じゃないと僕は思う。   人間の本能というのはそんなに簡単に攻略できるものではなく、守備型か攻撃型かのどちらかに偏りやすい。

 

そのオフ会の効果は大きかった。  当時の僕は負け続けていて、割安株を買う長期の方法ではダメだとうすうす感じていて、他の方法を模索していた。新たに向かうべき方向について、そのオフ会で確信を得た。それは実際に億単位で勝っている人たちがやっている方法だ。   割安とか割高とか、将来この会社は業績が伸びるはずだとか、そういった要素は、自分が勝手に思い込んでいるに過ぎない。勝っている人ほど、短期の値動き、かつチャートや指数組み入れなどの理由がある株を買っていた。

 

「今ある優位性」に張る。  そのオフ会をきっかけに、長期トレードをやめて、値動きだけを見る短期トレードに変えた。すると、それまで負け続けていたのが噓のように連戦連勝になった。  情報を引き出すという目的で参加していたわけではなかったけど、オフ会にはこういう効果が

 

会社を辞めて専業トレーダーになったのは、総資産が6000万円に

 

とき。4000万円くらいの段階で、これはもうこの道でいけるだろうと僕は踏んだ。  周りのトレーダー仲間と比べてみると、専業になるタイミングはだいぶ守備寄り。   一般的には6000万円ではまだ不安かもしれないけど、トレーダーで成功している人は、仕事を辞めるのが資産500万~1000万円のタイミングが多かっ

 

富の総量が増え続けているのと並行して、お金の価値は落ち続けている。  お金が万能な世の中になっているようで、実はお金の威力は落ちている。

 

ただ、その一方で、お金の価値は落ちていて、巨額のお金がなければできないことは減ってきているのも事実。個人トレーダーも、今の世の中だから可能になって

 

逆に僕より早く買った人は、ビットコインを買うのも僕より早かった。  人のプレイスタイルは簡単には変わらない。   早い人はいつでも早く、遅い人はいつでも遅い。  投資家としては、早い人のほうが適性がある。   この早さというのは、頭の良さとは違い、行動を起こす早

 

「情報を集めるようなことはあまりしたくないけれど勝ちたい」という

 

は、不況時の赤字会社への長期投資をやってみてもいいかもしれない。  ギリギリで黒字を保っているような会社はダメで、赤字に転落している会社がいい。  そういう会社は好況になると黒字が出て、手の平を返したように株価が上がる可能性が高い。ただし、 潰れてしまえばゼロになるので、潰れなそうな会社を狙う。   ITバブル崩壊後やリーマンショックなどが起きたときには、証券会社のアナリストは「今は業績も悪いので売りです」などと言いがち。そういうときに売るのではなく買っていれば儲かってい

 

サブプライムローン問題が起きた2007年には、日本の銀行もサブプライムローンを1兆円持っているんじゃないか、減損会計で潰れるんじゃ

 

か、と言われていたけど、あとから振り返れば絶好の買い時だった。  そういうタイミングを逃さないのが大切。   逆に、好況時は買わないほうがいい。  景気は循環するから、全体の株価が上がってきて、週刊誌に特集が組まれ、アナリストが勧めているようなときには、伸び代がなくなっている可能性が

 

マーケットというものはリスクを回避する傾向が強いので、アブナイと思われたら必要以上に売ら

 

これから投資をする人にとっては、ビットコインなどの仮想通貨も視野に入ってくると思う。それらの買い方や売り方も、株や 為替 や先物と変わらない。というか値段がついて売買されているものは、すべて同じ。   つまり、上がっているときに買って、下がってきたら売る。  下がっているときには買わ

 

後、トップレベルに近い人たちと勝負し、彼らの戦術をポーカーのAIソフトに読み込ませて検証し、そこでの学びから自分なりに戦術をアップデートするという方法をとった。効率よく自分のレベルを上げることができたと自負している。   自分がオタクだな、と思うのは、金がかかっていないゲームでも、そのうちいくつかのゲームでは競技人口のヒエラルキーで見たときに100分の1以上のところに入っていること。

 

確率上不利なゲームにお金を賭けることはしたくない。  だからやっぱり相場がいい。相場は、仕事にもなり、趣味にもなり、ゲームにもなる。  他の趣味やゲームは仕事にするのが難しいけど、相場なら可能だ。やり方次第でお金を増やすことができる。  相場は、最新かつ最先端の学問であり、経済活動でもある。   最先端だから未来が予測できない。  究極に近い〝不完全情報ゲーム〟。  日々やることが勉強になり、実力をつけることになり、お金にもなる。

 

勉強したからといって勝てるかどうかわからないのが、いいところでもあり悪いところ。  勝負を決めるのが総合力になるのもゲームとしての面白さ。  お金は 10 万円くらいから参加できる。  頭がめちゃくちゃよくても勝てるとは限らない。  判断や行動が早いことも大切。  人脈だったり、情報だったり、資金調達力だったり、いろいろな側面からの攻略法もある。そういった総合力での勝負だから、ゲームとして壮大。これほどスケールが大きなゲームは他にない。  稼ぐためのアプローチの仕方がいろいろあるのもいい。  僕のようにデイトレのカチャカチャ職人で稼ぐ人もいれば、会社を

 

て上場して投資家からお金を集めて稼ぐ人もいる。   資本主義は人類史上最高のゲームかもしれ