226.プリニウス ヤマザキマリ とり・みき

3.動物というのは生まれた時から自分自身の性質に自覚を持っているものだ。あるものは走力を、あるものは泳力を、そしてあるものは飛翔力を。だが人間だけが教育に頼らなくては何一つ知ることもできない。

だからこそ私は他の動物に対して恥ずかしくないように生きようと決めたのだ。人間の特性である知性をできる限り磨こうと。自然にも他の動物と同様に受け入れてもらうためにな。

 

猛々しいライオンですら彼ら同士で無意味に闘ったりはしない。しかし人間は大抵の禍は仲間同士で引き起こされる。

 

人間ほど悲観したり辛さを感じている生き物も他にはいない。

 

象は人間の女性にまで恋心を抱く。自分よりも弱い動物に対しては温和で害を与えるようなことなど決してない。
なのに人間はただですら同種族感で殺し合い自分たちより弱い生き物も殺す。いっそ人間の奴隷なんかよりも象のほうがよほど信頼ができる。

4.バカバカしい。精神の腐った生き物たちの腐った世界。虚栄心、自己欺瞞、富と権力への欲望。それらがどれだけ多くの人々を破滅に招き、責め苦の中に落としてきたというのだ。

懲りずにもう何世紀も何十世紀も同じ過ちを繰り返し続けているのはどうかしている。

 

6.人間が寄り集まった場所を離れると地球はこんなに面白い。地球は興味深い事象や自然現象に満ち満ちています。書物からは得られない驚きと不思議で溢れている。

 

人間のことにしか興味がない人間はろくでもないものにしかならん。

 

7.この世で一番おせっかいな生き物と言ったら人間だよ。