198.達人伝

3.大弁はとつなるがごとく

大巧は拙なるがごとく

大賢は愚かなるがごとし

 

本当に弁のたつものは詭弁に聞こえ

本当に上手なものは下手に見え

本当に賢いものは愚かに見える

荘子

 

虚室は白を生ず

部屋は何もないほど光が満ちる

あんた持ちすぎだ 荘子

 

5.

木鶏

そうなったら他の闘鶏は見ただけで相手になろうとせずに尾っぽを向けてしまうって。

それって闘いの極意じゃねえか。

気負いや殺気の類を全部消し去ってまるで木彫りのようにか。

 

6.

無用の用

能が用が生命を縮めているのだ。

私はもうじき無用の樹に成りきり天寿を終える。有能有用であろうとして命を削るお前なぞに無用の何がわかるというのか。

 

10.

商人の道理

およそものの値というものは人が欲しがれば欲しがるだけ高くなります。

値の高いものには誰もが目をつけます。

ですが誰もが目をつけているところに大きな利は生まれません。

 

私の財産は一千金。私はこれをすべて注ぎ込んで秦が欲しがるようにあなたの値をつり上げる。 呂不韋

 

18.

当たり前が覆ったのだ。

当然は常に当然ではありえない。