119.脳は休ませると10倍速になる 苫米地英人

健康維持のために睡眠が最初から存在していたような錯覚を覚えますが、事実は逆です。 睡眠をヒトが手に入れて、それが精神や体の維持に関わるようになったことで、結果的に睡眠はヒトに必要不可欠になったのです。

 

自我が生まれたのは、睡眠時における長期記憶の定着が可能になったから


彼らは1年中、何もしないか、もしくは遊びばかりをする人たちです。そして、そういう人たちは前頭前野を働かせて、より抽象度の高い(つまり高いIQを必要とする)思考に耽ることになりました。そして、それによって文字や暦、数字、哲学などが生まれ、文化・文明がどんどん進歩していったのです。 まさに「暇」こそが、「文化発祥の母」と言えるでしょう。


また、メラトニンは脳内での抗酸化作用があり、脳細胞の老化を防いでくれます。 夜にメラトニンを分泌させるには、日中に光に当たっておく必要があります。なぜなら、メラトニンは、光を浴びた14~15時間後に分泌が開始されるからであり、朝日を浴びることで、夜にメラトニンが分泌されるようにプログラミングされるのです。日中にしっかりと日に当たることで、暗くなってから分泌されるメラトニン量が増えて、深い眠りが訪れます。


光は太陽光とほぼ同じ強さの2500ルクス以上の強さで、最低でも5分、できれば30分以上当たってください。 光は網膜もしくは血流に当てるようにします。網膜に当たった光の刺激は視床下部にある視交叉上核を通して、メラトニンの分泌をコントロールする松果体に伝わります。


海水浴やキャンプに行った帰りなどに、激しい眠気に襲われる人が多いのは、1日中遊んだ疲労以上に、日中たくさん光に当たったことで、メラトニンが分泌されているからです。 人は逆にメラトニンが抑制されると、少しずつ覚醒に向かいます。


メラトニンの抑制のポイントとなるのも、やはり光です。 メラトニンが分泌されているときに光が当たると、メラトニンの分泌が抑制され、やがて消えてしまいます。 朝一番にカーテンを開けて朝日を浴びると目が覚めるのは、朝日を浴びることによって脳内のメラトニンが消えるからです。 これは裏を返せば、睡眠中に光を浴びることが最悪であることを意味します。


そのため、睡眠中は照明器具の明かりはすべて消して、窓から入り込む光を遮断するために遮光カーテンを引き、部屋を真っ暗にします。 照明器具はすべてオフにして、ベッドライトや常夜灯も必ず消すようにします。デジタル時計などの光も、布を被せるなどして遮断します。また、睡眠前に携帯電話やパソコンのメールをチェックするのも厳禁です。 携帯のモニターの光でもメラトニンの分泌を抑制してしまい、眠りが浅くなってしまうからです。 さらに念には念を入れて、目にはアイマスクなどをつけて、光が網膜に刺激を与えないようにするといいでしょう


セロトニンは午前中に太陽の光を浴びることによって分泌が増えますが、梅雨の時期や冬季などは日射量が減るため、どうしてもセロトニンの量も不足しがちになります

セロトニンの材料になるのは、トリプトファンという必須アミノ酸です。 トリプトファンは肉や魚、豆類、乳製品などのタンパク質に含まれていて、体内に入って脳に運ばれたあと、セロトニンに変化します。そして、夜になるとセロトニンは「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変わり、睡眠をサポートするのです。 トリプトファンについて覚えておきたいのは、「人間の体内では生成できない」という 点です。


セロトニンの材料になるのは「トリプトファン」で、肉や魚、豆類、乳製品などのタンパク質に含まれている


耳栓にアイマスクを併用すれば、質の良い深い睡眠を手に入れることができます。真っ暗な中で無音で眠ることで、レム睡眠とノンレム睡眠を十分にとることができるのです


音は眠りを浅くする 睡眠中は無音がベスト


赤ちゃんは、眠くなると手足が温かくなる、とよく言われますが、これも入眠に向けての体温の変化です。深部体温を下げるために、放熱をしているのです


体の熱が完全に低下しきるまでにかかる時間が2~3時間なので、入浴後2~3時間後に寝るのが理想的ですが、多忙で帰宅時間が遅い人にはその時間をとる余裕がないと思います。 


起きたときに水を飲むことは、低血圧の人にも有効です。浸透圧の関係で水を飲むと血圧が上がるからです。 低血圧の症状がひどくなると、ベッドから起きようとするだけで立ちくらみを起こしますから、そういう人は寝る前にあらかじめ枕元に飲用水を用意しておき、体を起こす前に、あるいは起こしながら水を飲むといいでしょう


“やりたいこと”をゴールに設定し、それをコンフォートゾーンに変えれば、すべての仕事が“want to”に変わり、“have to”はひとつもなくなります。 コンフォートゾーンとは、自分が一番楽に自然でいられる、慣れ親しんだ領域のこと。その中にいれば快適な状態でいられるので、いつもと同じ幸せを感じることができ、不安やストレスは軽減します。しかし、その心地良い現状に安住していると、新しいことにチャレンジする意欲が薄れてしまいます。


ゴールを設定する第一歩は、現時点でとても実現できそうもないとてつもない夢をゴールにすること。そのゴールは、必ず“現状では決して叶いそうにない夢”、つまり“現状の外側”に設定する必要があります。


現状の中にあるゴールは、他人からそれを目指すように仕向けられた“偽のゴール”の可能性が高いと言えます。親や学校教育は、成績や偏差値があなたのエフィカシー(ゴール達成能力の自己評価)であると思い込ませ、「この成績で入れる大学はここ」「入れる会社はここ」と、常に現状の中にある可能性から自分の道を選ぶように仕向けてきました。 その結果、私たちは自分が“やりたいかどうか”ではなく“やれるかどうか”をモノサシにして判断する悪い癖がついてしまっています。そこに自分の意志はありませんから、この癖をいつまでも引きずっていたら、永遠にゴールは見つからないでしょう。


現時点でどんな自分になりたいかわからない人も、「現状の外側にあって、達成したらすごくうれしいこと」を暫定的なゴールに設定して走り出せます。今は仮のゴールであっても、そこを目指すことで現状のコンフォートゾーンをずらしていくことができます。 すると、新しいゴールが次から次へと見えるようになってきます。 やがて、その中に、あなたが一生かけて追いかけるべき本物のゴールが見えてくるはずです


ゴールを達成するためには、脳の力を最大限に活かして思考することが重要になってきます。 そして、そのためには睡眠のクオリティを上げることで、脳の生産性を10倍にしておく必要があるのです


エフィカシーとは、言うなれば、自分のゴール達成能力の自己評価というべきものです。


エフィカシーは普段の生活の中でもとても重要な働きをしてくれます。 たとえば「どうせ私なんて」といつも考えている人と、「もっとやれる!」と考える人とでは、人生そのものが大きく変わってしまいます。


「どうせ私なんて」と考えた瞬間に、その程度の結果しか残せなくなってしまうのです。だから、どんなことでも「自分ならできる」と思うようにしましょう。 エフィカシーしだいで、あなたの人生の質は大きく変わってきます


「自分だったら、どんなに頑張っても年収500万円が限界かな……」というエフィカシーを持っている人は、「年収500万」がその人のコンフォートゾーンということになります。そして、困ったことに、コンフォートゾーンにどっぷりと浸かると、心の中にスコトーマ(心理的盲点)が生じ、「年収500万」の世界しか視野に入らず、たとえば、「年収1億円」の世界は見えなくなる――すなわち、年収1億円を稼ぐ方法がわからなくなってしまうのです


「自分は当然1億円を稼ぐ人間になるべき存在」と思うことです。「1億円を稼げる自分」というエフィカシーを持てば、自然とコンフォートゾーンが「年収1億円」の世界に移行し、スコトーマが外れて、1億円プレイヤーになるための道筋が見えてくるでしょう


人間の無意識はこうしたことに敏感です。「本当の私はもっと能力が低い」と無意識が認識してしまうと、次は「もっと能力の低い本当の私」の方が現実化してしまう可能性が高い


また、そこまで自分を低く見ないとしても、「自分の能力は、現状ではこの程度と思ってしまうと、そこが実際の能力の限界点になってしまいます。「私の実力はここまで」と思ってしまってはいけないのです。そう思ってしまうと、そこから先は一度くらいはまぐれで結果が出ることはあっても、コンスタントにいい結果を出すことはできなくなってしまいま

 

人間の限界とは、「自己評価=自分のイマジネーション」の限界だからです。 したがって、謙虚なコメントを発しつつも、心の中では「私の力からすれば当然です」「いい結果が出たけど、私の能力はまだまだこんなものではありません」と思っている必要があります。 「自己評価=自分のイマジネーション」の限界を、できるだけ高く設定しておくわけです。


ドリームキラー撃退法の第一は、ゴールを他人に教えないことです。教えなければ「そんなことは無理」「やめておけ」などと言われることはありません


これはアファメーションとしても使えます。アファメーションというのは、夢(ゴール)実現のために唱える言語化された夢のことです。「Aという事業で独立して、多くの人の信頼のもとでビジネスを大きくしており、日々充実した生活を送っている」というように紙に書いて、毎日、唱えます。これによって夢の臨場感が高まるのです。 25個の再反論は、紙に書いて毎日読むことで、夢に向かって突き進む理由が臨場感を伴って、無意識に染み込んでいくことでしょう。


ゴールの設定をしたら、次にそのゴールを達成した自分が見ている世界(ビジョンと言います)の臨場感を現状の臨場感に負けないくらい高める必要があります。現状の臨場感に負けてしまうと、ホメオスタシスの力で、結局、現状に戻っていってしまうからです


夢実現の方法論は「ビジョンの臨場感を高める」ことにつきます。そのための具体的な方法のひとつに「未来の記憶」を作るというものがあります


「未来の記憶」というのは、ゴールを達成した未来のイメージをあたかもすでに達成しているかのように、頭の中で思い描いてみるということです。未来に起こるべき出来事を、すでに起こったこと、あるいは現在起こっていることとして感じてみることができれば、それはすでに高い臨場感を獲得していることになります


自分の状況をイメージします。設定したゴールは自分にとって喜ばしいことに決まっていますから、しっかりと思い浮かべることができれば自然に喜ばしい感情が湧き上がってくるはずです。 ゴールそのものは抽象的だったとしても、達成している自分の姿というのは具体的なので、臨場感が出せます。具体的、かつ詳細に思い浮かべるようにしましょう


恋愛のし始めなどは、会えない日には相手のことを一日に何度も思い浮かべたりするものです。それと同じように、夢というゴールに対して恋愛感情を抱くことができると夢実現の喜びを自然に思い出すことができることでしょう。ですから、夢というゴールに対して、寝ても覚めてもそのことを思い出してしまうくらい、恋してほしいと思います。夢に恋い焦がれて、それこそ夢に出てくるぐらいにまで臨場感を高めることができれば、実現に向けてうまく進んでいると思っていいでしょう


また、場面(視覚的なシーン)だけよりも、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を伴うことで、よりいっそう臨場感が高まります


夢の実現とは、現在の状況という物理空間の臨場感と未来のビジョンの臨場感との戦いです。すなわち、臨場感が高い方が現実化するのです。しかし、物理空間の臨場感は実際に見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わえるため、非常に強いものです。これに打ち勝つには、相当強い臨場感が必要です。 一日に何度も夢実現の喜びを思い出すのは、夢実現の臨場感を物理空間の臨場感よりも強めるための方法論なのです


3つ目の理由は、エフィカシーを下げてしまう可能性があるからです。よく受験勉強をしている受験生が「根性」とか「絶対合格」などと紙に書いて、壁に貼っていたりしますが、あれはいけません。暗に、「自分には根性がない」「今のままでは絶対に合格できない」と言っているようなもの


「合格するぞ」ではなく、「私はすでに合格している」と思い、その臨場感を高めなければならないのです


いつでも読み上げられるようにしておくものです。 アファメーションは「夢」「目標」「ゴール」そのものとは違います。ゴールを達成したときのビジョンの臨場感を高めるための方法論


コーチングの本家故ルー・タイス氏はアファメーションの手法をコーチングに取り入れ、自分自身もアファメーションを毎日唱えていました。その大家の彼でも、自分のアファメーションカードを他人に見せるようになったのは70歳を過ぎてからだそうです。それまでは決して人には見せませんでした。全世界で多くのコーチング実績を持つルー氏でさえも、ドリームキラーが現れることを恐れていたわけですから、一般の人がドリームキラーの攻撃を撃退するのは非常に難しいのです


まとめ ドリームキラーから「夢」を守るためできるだけ人に打ち明けないようにする


でも、「自分の幸せだけでなく、家族全員の幸せを考えなさい」くらいなら何とかなるでしょう。つまり、ひとつだけ抽象度を上げて考えることから始めればいいのです。そして、臨場感を損なわないようにひとつずつ抽象度を上げていくのです。 そのためには、「普段からひとつ抽象度を上げて物事を認識する」ということを心がけましょう。「犬」を見たら、それよりも抽象度の高い概念で捉える努力をします。でも、いきなり「生物」と思うのではなく、「哺乳類」くらいにとどめて、臨場感を維持します。

「車」を見たら、「工業製品」ではなく「乗り物」くらいに捉えます。 このように、ひとつだけ抽象度を上げて物事を捉える訓練を繰り返していくと、夢の抽象度を上げるときも、臨場感を損なわずにできるようになっていきます。また、抽象度を上げて思考することは、より高次の視点から客観的に物事を受けとめられるので、怒りや憎しみなどの情動を抑えるのにもたいへん有効なのです


抽象度の低い人の視野は狭くなります。ちなみに、ドリームキラーは、自分のレベルでしかものを考えることができない抽象度の低い人がほとんどです。他人にとってのドリームキラーにならないためにも、より大きな夢を実現するためにも、普段から抽象度をひとつ上げて物事を認識するようにしましょう。


ひとつだけ抽象度を上げて物事を認識するように訓練すると臨場感を損ねることなく夢を大きくしていくことができる!


アファメーションとは、前に触れたように「~したい」「こうなればいいな」という願望を、「私は~をする」といったようなすでに達成している言い回しをすることで潜在意識に働きかけ、変化や成長(ゴール)が遠くの未来にあるものではなく、今ここにあるのだということをリアルに感じさせる技法のことです


すなわち、アファメーションとは言語を使って理想的な自己イメージを作り上げるメソッドなのです。 そして、その理想的な自分になるために、「自分がこういうことができる」「自分がそんな理想の自分になるべき存在だ」と肯定的なセルフトーク(自己対話)を行います。そうすることで理想的な自分に対する臨場感を強めて、理想的な自分が実現するように無意識に働きかけるのです


加えて心がけてほしいのは、理想の自分になるのではなく、自分はすでに理想の自分になっているとイメージすることです。 「~になる」のでは、裏を返せば「今は~になっていない」というネガティブな報を含んでしまい、完全な自己肯定にならないからです。

 

人間は自己イメージ以上の存在になることができません。自己イメージの限界が自我の限界、自分の能力の限界なのです。だからこそアファメーションによって徹底的に自己イメージを高めていくことが必要なのです。 日本には「言霊」という言葉があります。 口に出したことがそのまま実現化するという意味で、古来日本人はそれを信じてきました。 アファメーションも「言霊」と同じです。毎日、口に出して唱えるだけで魔法のようにあなたの夢が叶うのです。


アファメーションはあなたの夢やゴールを叶える魔法の言葉


日本という国の舵取りを行う官僚には、大量の知識に合わせて臨機応変で創造的な思考が求められるのです。 そして、この大量の知識は暗記による知識ではなく、大量の読書や思索の結果としての知識なのです


「IQが高い」とは前頭前野で高度な抽象的思考ができる人


歩行禅の方法は次の通りです。 ①右足のかかとが地面に着くときに、1回息を吸い込む
②右足のつま先が地面に着くときに、もう1回息を吸い込む ③左足のかかとが地面に着くときに、息を吐く ④左足のつま先が地面に着くときに、呼吸を止める この①~④を繰り返し行ってください。両腕を大きく振りながら行うと効果的です。 重要なことは、一歩足を踏み出すごとに、「かかとが着いた」「今、つま先が地面に着いた」「右足に体重が乗った」……と一つ一つの体感を意識に上げながら歩くことです


煩悩は、人を物理空間(実際に手で触れたりできるようなリアルなモノの世界)にとどめ、思考の抽象度を引き下げようとする力が働きます。煩悩が抽象度の上限を決めてしまうのです。 また、「止観」の「観」とは、自分自身やこの世界を徹底的に見ることです。これは「歩行禅」や「黙って食え瞑想」につながります


情報空間(脳の中に存在する様々な事象に対する認識が形成している世界)において抽象度を上げていくには、煩悩を制御して、自分や世界を徹底的に見つめ
「止観」が不可欠なのです。 では、止観はどのように行うのか? 「見返りを求めない姿勢」を維持することです。見返りを求めず、目の前のことに純粋に喜びを求めることは、煩悩を制御することにほかなりません


偉大な業績を残した先人達の多くは、「役に立つ」ことは考えず、純粋に自らの「喜び」として、学問や芸術など、様々なクリエイティブな行為に没頭してきました。だからこそ、昨日までの論理を超越して、自由な発想をすることができ、今日や明日を作るための新たな価値観を創造することができたのです。 彼らが持っていたのは、「昨日」までの世界を超えて世界を見る目であり、「明日」を生み出す目なのです


何の見返りも求めず、純粋に喜びを感じるものを追いかけるとさらに高い抽象度を獲得し、発想も生き方も自由になる!


瞑想は「哲学そのもの」なのです。アインシュタインの言葉を借りれば、「思考実験」です。 常に理論物理学はその時の工学的技術で検証可能なレベルの先の理論を展開してきました。最先端の認知科学も同様です。 物理空間でシミュレートできなければ、脳が作り出す情報空間でシミュレートするしかありません。その脳内でのシミュレーションが瞑想なのです


メニュー訓練法は、「無意識」の能力を呼び覚ます訓練です。ですから、意識を使ってはいけません。無意識に選ばせるのです。時間をかけてしまうと、意識が出てきてしまいますから、一瞬で選ばなければならないのです。最初のうちは「しまった、本当はこっちが食べたかった」と思っても構いません


脳のクロックサイクルを上げるポイントは、慣れです。初めのうちは戸惑うかも知れませんが、この訓練を続けていくことで、無意識が的確な判断をしてくれるようになり、だんだんと作業時間が短くなっていきます


脳のクロックサイクルを上げるトレーニングを行い日常の判断を2倍4倍6倍と徐々にスピードアップさせていく!


たとえば「大人のためのピアノ教室」みたいなところに半年間くらい通えば、ある程度、弾けるようになるでしょう


自分で楽器を演奏することは脳を活性化させる上抽象度を高めるための訓練にもなる!


そのひとつが「ゴールの臨場感の高まり」です。前にも触れましたが、叶えたいゴールがある場合、ゴールの臨場感が現状の臨場感にまさることで夢は実現します。ですから、ゴールの臨場感をできる限り高める必要があるのです。このとき、視覚や聴覚だけでなく五感すべて、さらにはその五感を別の感覚に置き換えて感じてみることで、臨場感はよりいっそう高まります。これが共感覚の強みです


ます。もちろん、月曜日から金曜日に蓄積した体の疲れを取り除いたり、普段の寝不足を補ったりすることは大切ですが、だからと言って、10時間も12時間も寝ることはあまり意味がありません。 8時間を超える睡眠は、最後の方は浅いレム睡眠で悪夢しか見ません。おまけに長時間寝ていると体が痛くなったり、だるくなったりします


人間の脳は、やりたくないこと、嫌なことを無理やりやろうとするとIQが著しく下がります。それどころか「どうすればやらずにすむか」という方向にIQが働くようになるのです。 たとえば、本当は勉強などしたくない子どもに「努力」と「根性」で無理やり勉強させようとすると、勉強に対するIQが思いっきり下がるだけでなく、「どうすれば勉強しないですむか」ということに対するIQが上がり、勉強をしないための様々な言い訳を考え始めるようになります


“have to”とは「やらなければならない」こと、つまり努力とか根性を出して、本当はやりたくないけれど無理やりやるようなことです。これに対して、“want to”とは「やりたい」こと、つまり放っておいても自分から進んでやってしまうことです。 私たちは、自分でやりたいことだけをやればいいのです。努力とか根性が出てくるのは、実は非常に危険なのです。 なぜ努力とか根性が危険かというと、そういったものにすり替えて、他人が自分の都合のいいようにあなたを利用している可能性があるからです。


あなたを奴隷のように働かせたいと考えている人たちは、あなたに“have to”を“want to”であるかのように思わせようとします。それに騙されてはいけません。あなたはあなたが自分自身で決めた“want to”だけをやればいいのです。もちろん、あなたに何らかの目標があって、そこに向かうために自然と体が動いてしまうようにやっていることなら、それは努力ではありませんから問題ありません


こうした人たちは「過去―現在―未来」の関係性に関する認識を改める必要があります。時間が未来から過去へ流れている限り、未来は過去と無関係にやって来るとうことを銘記すべきです

 

未来にこうありたいという願望が実現することと、過去に自分はこうであったということは、まったく関係がないのです。 重要なのは、過去ではなく現在です。 そして、時間が経てばやって来る未来です。そう考えて、今この瞬間を充実させて活き活きと思う存分に「生」を享受できれば、過去の嫌な思い出もいつか忘却の彼方に消えていくでしょう


ゴールを設定し、それを強くイメージできているあなたは、そのすばらしい未来の実現に向かって着実に歩みを進めています。つまり、未来に向かえば向かうほど、どんどんいい人生がやって来るわけです。


あなたに向かってすばらしい未来が、どんどん近づいています。ということは、過去よりも現在の方が、すばらしい未来に近いわけです。つまり、「現在が最高=ありうる時間の中でもっとも理想的な自分である」ということになります。 一度、ゴールを設定したなら、その人には理想の未来が待っています。その理想の未来に一番近い時間が現在ですから、現在こそがありうるべき「理想の自分」であることは間違いありませ


常に「今の自分が理想の自分だ」と思えれば、エフィカシーも高まりますから、それまで限界だと思っていたことでも乗り越えて、その先まで行くことができます。そして、日々、理想のあなたが更新されていくようになります


あなたの人生はいわばイノベーション(技術革新)の連続と言えるでしょう。日々、新たなあなたが開発され、バージョンアップされていきます。現在のあなたこそが最新型のあなたなのですから、卑下する必要もなければ、過去を悔やむ必要もありません。


そして、そのような認識を常に持っていれば、毎日朝起きるのも楽しくなってくるのです。毎朝、自分がバージョンアップされているのだという自覚をもつように心がけましょう。そうすれば、だんだんとあなたの朝が明るく前向きなものに変わっていくでしょう


現在は、ベストの選択がもたらしたベストの結果である 毎朝自分が昨日より成長していると思えば、あなたの朝は変わる


すべての情動は娯楽として楽しむべきものだと思っています。たとえば、悲しい出来事を思い出して、メランコリックな気分になるのはその人にとって固有の娯楽です。それを記憶から無理に消去しようとする必要はありません。 ただし、あくまでも娯楽ですから、仕事など自分のやるべきことをきちんとやって時間的余裕があるときに悲しむべきです。余暇や娯楽とは本質的にそういうものではないでしょうか。

 

過去の悔しかった思いや、他人への抑え難い怒りでさえも、すべて娯楽として楽しめばいいと思います。 どうしても許せない仕打ちや人間に対する思いも娯楽として受け止められるようになれば、情動に縛られないクリアな頭を保てるようになり常にIQを高く保てると私は思っています。

要するに、どんな情動でもすべて娯楽として楽しめばいいのです。人生には苦しいこと、悲しいことがたくさんありますが、それらを「ああ、あのときは大変だったなあ」とあたかも映画のワンシーンを見ているかのように楽しめるようになれば、きっと心が軽くなり、前向きに生きていく活力が出てくると思います。 もしたまたま時間的余裕ができたとき、しばらく目を閉じて過去を娯楽として追憶してみてはどうでしょうか。


情動は確かに21世紀には無意味なものでありますが、心をリフレッシュさせてくれる娯楽と割り切ってみれば、それなりの存在意義もあるのです


ポジティブな感情もネガティブな感情も、娯楽として楽しめばエフィカシーを低下させずに頭をクリアな状態にできる!


酸素と栄養素は長寿の敵 有酸素運動はほどほどに。過食はしない


ショートスリーパーは単なる慣れ 睡眠不足は早死の原因


RASはより臨場感のある世界を現実と認識し、それ以外のものを見えなくします。言い換えれば、RASの働きによって我々に見えるものは限定されるのです。そして、見えなくなった世界や事象をスコトーマ(心理的盲点)と呼ぶのです。 その意味で私たちは常に催眠状態にいると言えるのです


RASの働きによって、脳が重要だと判断したこと以外は無意識に遮断されてしまうので、今私たちが見ている現実は決してありのままの物理空間ではありません。それはRASというフィルターを通して認識している空間に過ぎません(物理空間をありのままに認識できる人は釈迦のような解脱者しかいないでしょう)


つまり、我々は脳の働きによって無意識が作り出した偽りの空間におり、それをリアルな世界であると勘違いしているのです。そして、偽りの世界に強い臨場感を持
という点で、我々の日常空間と催眠時の空間とは等価なのです。 もし、違いがあるとしたならば、催眠は言葉や言葉に準じたも


社会的洗脳とは、子どもの頃から親や学校などで刷り込まれた思考パターンです。たとえば、「勉強して一流大学に入って、一流企業に就職する」とか「無謀な夢は捨てて、将来は安定した職業につく」といった価値観を知らず知らずのうちに受け入れてしまうことなどは、社会的洗脳の典型的な例です。それ以外の価値観がRASが働いて見えなくなります


社会的な洗脳から自由になり、真のゴールを達成するためにも、ぜひアファメーションを実践してください。 アファメーションによって社会的洗脳から解放されたあなたには、真に自由な未来が待っているでしょう


社会的洗脳とは子どもの頃から親や学校などで刷り込まれた思考パター


人は何らかの行動を起こすとき、常に見返りを求めています。その見返りのために、行動を起こした途端、煩悩が強くなってしまいます。見返りを求めたり、何かの役に立つかどうかを考えたりした瞬間、「今の世界で役に立つのか」という論理が入ってきます。つまり、結局のところ、今の世界の価値観に縛られた行動や考え方しかできなくなってしまうのです。 しかし、やっていること自体に喜びを求めることができれば、今の世界の価値観を超越して、自由な状態になることができます


「別に社会的成功も他人の評価もいらない。ただ単に楽しいからやっている」と言い切れるものを探し出すことが、自分の情動や社会的洗脳などの制約からあなたを自由にし、脳の機能を活性化させてもくれるのです


未来における社会の最適な状況とは、世界中の人々が共有できる抽象度の高いゴールのことです。 たとえば、「世界を平和にしたい」「戦争と飢餓を撲滅したい」「地球の自然環境を守りたい」などのゴールは、個人の世代やライフスタイル、思想・信条に関係なく、社会全体として共有されています。 それが社会の最適な状況です。 その状況を目指し、あなた自身が果たせる機能は何かを模索し、徹底的に論理的判断のみによって行動すれば、そこに個人の情動が介入する余地はなくなります。なぜなら、徹底して自分以外のことを考えているからです


自分のゴールは、社会を見て決めなければなりません。個人の情動を排除して社会の要請からのみ自分の機能・役割を決める。その機能・役割が、超ネット社会を生きるあなたのゴールになるのです。

 

情動を排除して、社会の要請からのみ自分の機能・役割を決める